【医師解説】『糖尿病のリスクとなる食生活』の特徴は知っていますか?

【医師解説】『糖尿病のリスクとなる食生活』の特徴は知っていますか?

健康診断で「糖尿病予備軍」と言われたけど、自分の食事がそんなに悪いものと思っていなかった……と思う方は少なくありません。具体的にどのような食生活が糖尿病を招くのでしょうか? 医師の山村先生に聞きました。

≫「糖尿病」を放置するリスクはご存じですか? 危険な合併症や治療法も医師が解説!

監修医師:
山村 聡(Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科)

九州大学医学部卒。医療法人高邦会高木病院 臨床研修。昭和大学糖尿病・代謝・内分泌内科助教、医療法人慶仁会城山病院糖尿病・代謝・内分泌内科など、複数の病院で糖尿病・内分泌診療に従事。医療法人社団同仁会診療所Clinic Le GINZA 銀座有楽町内科理事長・院長。日本内科学会 認定内科医、日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本甲状腺学会などに所属。

編集部

「糖尿病」というのはどういう病気ですか?

山村先生

簡単にいうと、摂取する糖質量に対してインスリンの働きが不足し、高血糖の状態が長く続いてしまう病気のこと。高血糖の状態が慢性的に続くと、自覚症状がほとんどないままに糖尿病網膜症や糖尿病腎症、糖尿病神経障害など重篤な合併症が起きることがあります。

編集部

なぜ、インスリンの働きが不足してしまうのでしょうか?

山村先生

糖尿病にはI型とII型があります。I型は自己免疫疾患などが原因となって、インスリンの分泌不足が起きるタイプ。II型は遺伝的な素因に加えて、過食や運動不足など、誤った生活習慣が原因となり、インスリンの作用が低下するタイプです。一般的に糖尿病というと、II型をさしていることが多いですね。

編集部

食事も大きな原因なのですね。どのような食事を続けると糖尿病になるのでしょうか?

山村先生

暴飲暴食による肥満は血糖値を乱高下させてインスリンの働きを弱めるため、糖尿病の大きな原因となります。また近年増えているのが、痩せ型なのに糖尿病を発症するケース。研究により、糖質を過剰に摂取するとメタボリックシンドロームのリスクが高まることが明らかになっており、メタボになると内臓脂肪が蓄積し、インスリンの働きが低下して血糖値が下がりにくくなります。そのため、メタボはII型糖尿病を発症する前段階と言われています。

編集部

パンやお菓子などをたくさん摂りすぎると糖尿病のリスクが高まるということですか?

山村先生

これまではエネルギーの過剰摂取や動物性脂肪の摂りすぎが、メタボにつながると考えられてきました。しかし近年では、摂取エネルギーが抑えられていても、ごはんやパンなどの糖質や砂糖を摂りすぎると、メタボのリスクが高まることがわかっています。また、「アスパルテーム」や「スクラロース」など人工甘味料の摂りすぎも、メタボとの関連性が疑われています。これらの人工甘味料は、ジュースやコーラ、お菓子などの加工食品に多く含まれています。

編集部

カロリーゼロのコーラも危険ということですか?

山村先生

名前にダイエットなどがつく甘い飲み物はアスパルテームやスクラロースが使われていることが多く、それらと糖尿病との関連性を指摘する声もあります。そのほか、ビールや日本酒、カクテルなど糖質が入ったお酒も血糖値を上昇させるので、飲み過ぎには注意が必要です。

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