いいインナーパンツに出会えると、こんなにも毎日が楽しいなんて〜!|前田エマの、日々のモノ選び。#6

30代という年齢は、“モノを選ぶ眼”が育ち養われてくる年齢ではないだろうか?流行りものやブランドものではなく、自分が心地いいモノを選びたい。生産の背景を知り好きになるモノだったり、多少値が張っても人生をかけて大切にしたいと思えるモノだったり…。そういった視点でモノを選ぶ前田エマさんが、ご自身の私物とともに「モノの選び方」について綴る連載です。第6回目は“インナーパンツ”について。

この数年、インナーパンツ難民だったのだが、やっと「これがあれば大丈夫!」と思えるものと出会うことができたので、紹介したいと思う。

私の言う“インナーパンツ”とは下着の上に履く膝丈くらいのパンツだ。スカートやワンピースを着るときに、私は一年中、必ずインナーパンツを履く。腰やお腹まわりを冷えから守り、下着の透けも予防できるので、なくてはならないアイテムだ。
近所のスーパーや、商店街、靴下屋、下着屋などで適当に買い足して生きてきたのだが、27歳くらいになったあたりから「なんだか、肌に合わない…」と、インナーパンツを履くたびにストレスを感じるようになりはじめた。

原因の一つは、締め付けだ。あまり伸びない生地だと、そけい部が擦れて痛い。かといって、ゆるゆるしすぎるのも嫌だ。身体に布地が適度に吸い付き、守られているような感じがほしい。

そして多少値が張っても、肌に直接触れるものなので、肌触りが心地いいものを選びたい。「どうせ誰にも見られないし…」と、ここで妥協してしまって今までに何枚も失敗し、後悔してきた。
インナーパンツによるストレスは、1日のコンディションを左右する。歩くたびに変な摩擦が起きると、それだけでもう歩きたくない。座っていて、蒸れてくると、おしりがかゆくなって、そればかりが気になる。

私がここ最近、一年中履いているインナーパンツは、me.(ミードット)の「コットンテレコインナーパンツ4分丈」だ。吉祥寺のpoooLで、一目惚れした。
履いていることを忘れるくらい、肌馴染みが良く、薄手なのに程よいあたたかさで、季節を問わず気軽に使える。夏でも蒸れる感じがしないし、むしろ素肌でいるより涼しく感じるくらいだ。

“スーピマコットン”と呼ばれる綿を使用しているので生地が非常に柔らかく、シルクのような光沢感もある。紡績から縫製まですべて日本で行われている。


左:〈me.〉コットンテレコインナー パンツ4分丈の白・黒(3,850円)、右:〈くらしきぬ〉はらぱん(腹巻きパンツ)ハーフタイプ(10,065円)

私がインナーパンツを買うときに重要視しているのは丈の長さだ。腰やお腹周りも大切だが、太ももの前側が冷えるので、膝上ギリギリまで長さが欲しい。
このインナーパンツは縫い目が肌にほとんど当たらないし、ゴムを使っていないので締め付けもない。それなのにちゃんとフィット感がある。裾のふりふりも可愛い。ストックも買っているくらい、大好きだ。

この冬に出会ってヘビロテしたのは、〈くらしきぬ〉の「はらぱん(ハーフタイプ)」。
私は数年前から化学繊維のタイツを履くことを控えるようになった。理由は、乾燥と摩擦でかかとや肌が荒れてしまうのを防ぐためだ。それなら天然素材のタイツを履けばいいじゃないと言われそうだが、他の人よりも足の親指が長い私はすぐに穴が空いてしまうので、もったいない気がするのだ(天然素材のタイツって、結構値段が高い)。この「はらぱん」は膝までしっかり隠れるので、ハイソックスと合わせて履けば“なんちゃってタイツ”のように履ける。
「はらぱん」は「腹巻パンツ」の略で、お腹も腰もポカポカ。生理のときにも重宝する。


内側はシルク、外側はウールで作られている。シルクは18種類のアミノ酸を含むタンパク質でできており、しっとり気持ちいい。保温性の高いウールは、放湿性も兼ね備えていて蒸れずらい。毛玉もできにくく、繰り返し洗濯をしてもチクチクせず、ふわふわが増していく感じ。
いいインナーパンツに出会えると、こんなにも毎日が楽しいなんて〜!


前田エマ

1992年神奈川県生まれ。東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーの留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。アート、映画、本にまつわるエッセイを雑誌やWEBで寄稿している。2022年、初の小説集『動物になる日』(ミシマ社)を上梓。
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