生理痛やPMS、更年期多くの女性が感じる悩み我慢していない?ますみクリニック 院長の山口先生に伺いました!

生理痛やPMS、更年期多くの女性が感じる悩み我慢していない?ますみクリニック 院長の山口先生に伺いました!

生理痛やPMS、更年期など、多くの女性が感じる悩み。ついつい我慢してしまいがちですが、本当にそれでいいの?

今回は、ますみクリニック 院長の山口ますみ先生にお話を伺いました。

女性の悩みの影には、女性ホルモンの影響が?!

女性に多い『便秘』『貧血』『頭痛・生理痛』『更年期障害』に対して、治療するべきかど

うか、対症療法だけで乗りきっているがそのままでいいのかなど、なんとなくもやもやしたり、疑問や悩みをかかえていませんか?

そのような悩みの解決に繋げるために重要な、女性ホルモンの分泌の仕方を4つのステージに分けた上で、各ステージに必要な健康のためのアクションを解説をします。

女性ホルモンの分泌の仕方別4つのステージ

1)思春期

女性ホルモンの分泌がはじまり、身体の成長と成熟が同時におきる変化の時期。

初経が開始後も身長の伸びがあることが多く、食環境の状況やダイエット、過度な運動により貧血になるリスクが高いです。

また、この時期は骨量がとても増える時期であり、20台前半に迎えるピークボーンマ(最大骨量)を高くするために、この時期の不健康なダイエットや拒食、貧血等の疾患は改善させる必要があります。

また、この時期の冷えや貧血、ひどい生理痛が先の不妊につながる可能性もあります。

思春期は、その後の性成熟期、更年期の健康状態の基礎となるとても大切な時期です。

2)性成熟期

ホルモンバランスが安定し、調子よく、輝ける時期。

身体の状態としては最も整いやすい時期ですが、現代社会においては、性成熟期の女性はとても多忙です。

仕事、家事、育児、場合によっては介護をおこなうことも。

自分の一日の食・休息・運動・きちんとトイレに行けているのか…など、自分の健康を顧みることなく日常を過ごしている場合が多く、生活習慣の乱れから心身の不調をかかえる人もいます。

また、ストレス社会において過敏性腸症候群や、うつ状態などのストレス疾患を含め、メンタル面で不調をかかえる人も少なくありません。

妊娠出産前後や産休育休明けの食事は、おろそかになりがちで、貧血ややせ傾向の原因となっています。

3)更年期

いままで支えとなっていたエストロゲンが急激に減少し、心身が不安定になりやすい時期。

多忙な性成熟期において、『食・休息・運動・ストレスコントロール』の乱れがあった場

合、エストロゲンの低下と共に、さまざまな不調として表面化しやすいです。

その不調によって日常生活に支障が出ると、「更年期障害」という病名がつきます。

更年期障害は種々の治療に加えて、生活習慣の見直しをすることで改善が早く、快適な老年期へとつながります。

肥満傾向があると、高血圧、脂質異常等の生活習慣病のリスクが高まり動脈硬化のリスクも上がってきます。

また、逆に貧血や、やせ傾向の場合は、老年期につながる運動器不安定症(ロコモティブシンドローム)のリスクが高まるので、早めにたんぱく質摂取、筋肉量up等の対策をとる必要があります。

4)老年期

体力の低下や、感覚器機能の低下が見られる時期。それまでの生活習慣による、とても健康状態の個人差が大きい時期。

人生100年時代と言われる現代において、老年期は30年以上続くとても長い時期です。

病気を患う人も増えます。

いろいろな薬を飲んでいる人も多いですが、10剤以上の内服(ポリファーマシー)はどんなにいい薬でも寿命を縮めるといわれています。

いかに健康的に自立して、身軽に生活するかがとても大切になってくる時期でもあります。

認知症やサルコペニア(筋肉量減少)の予防としても、十分量のたんぱく質や良質な脂質等の適切な栄養素の摂取によりまだまだ元気に過ごせます。

女性の健康には各ライフステージでの過ごし方が重要!

比較的一朝一夕に叶い易い男性の健康とは異なり、女性は各ライフステージでやるべきこ

とがあり、各ライフステージの過ごし方がその後の健康状態に大きな影響を与えているこ

とが多いです。

また妊娠においても、毎日作られる精子と異なり、卵子の元はまだお母さんがおばあちゃんのお腹の中にいて、お母さんの身体が形成されるときにすでに作られています。

ホルモンバランスの影響によりダイナミックに変化する女性の健康状態は、実は連なっており、『作り上げていく』部分がとても大きいということを理解しましょう。

そのために、一生を通した健康作りの概念や知識を得て、セルフコントロールができることが男性よりも大切になるということを改めて知っていただきたいです。

[執筆者]

山口ますみ先生

ますみクリニック院長

内科医/ヘルスコーチ 上級食育指導士

長崎大学医学部卒

『女性の健康の影響は、家族と地域に広がる』『医と食の力で命と心を守りたい』との思いから、女性専用内科を開院。

思春期~老年期までの各ライフステージに応じた診療をおこない、社会の中で多忙化する女性の健康サポートに従事。

講演:自治体の養護教諭部会や給食主事部会、企業向け健康講話、中高生向け学校講演会

「中学生の食と命について」「更年期に必要なこと」「食とメンタルの関係」等

ますみクリニック

https://masumi-clinic.com/

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配信元

キレイ研究室
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「今よりもっと、これからもずっときれいでいるために。」をコンセプトに、化粧品開発、ヘルスケア、ネイリストなどさまざまなジャンルの専門家が、中立の立場から「キレイ」についてのコラムを発信しています。
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