「皮膚がんとほくろ」の違いはご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

「皮膚がんとほくろ」の違いはご存知ですか?見分け方のポイントも解説!

皮膚がんとほくろは見た目が似ているため、見分けることが難しいことがあります。しかし、さまざまな違いがあります。
本記事では皮膚がんとほくろの違いについて以下の点を中心にご紹介します。

・皮膚がんとは

・皮膚がんとほくろの違い

・ほくろと間違われやすい皮膚がん

皮膚がんとほくろの違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

≫「皮膚がんの原因」はご存知ですか?症状やかかりやすい人の特徴も解説!【医師監修】

監修医師:
高藤 円香(医師)

防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科

皮膚がんとは

皮膚がんは、皮膚細胞のDNAが損傷し、修復が間に合わずに異常な細胞分裂を繰り返すことで発生する病気です。紫外線の影響、ウイルス感染、外傷や放射線治療などの刺激が、損傷する原因となることがあります。初期段階では、ほくろや湿疹、いぼと見分けがつかない小さなできものが現れ、痛みはほとんどないとされています。しかし、放置すると腫瘍は増大し、血管やリンパ管を巻き込み、最終的にはがん細胞が血流やリンパを通じて内臓にまで転移する可能性があります。
皮膚がんはほかの内臓がんと異なり、初期の状態でも肉眼で確認できるため、早期発見の可能性が高いといわれています。皮膚に異変を感じた場合には、皮膚科の診察を受けることが重要です。

皮膚がんとほくろの違い

皮膚がんとほくろは一見似ていますが、いくつか違いがあります。以下で違いについて解説します。

形の違い

ほくろは、左右対称で円形や楕円形をしており、表面の固さも均一です。これに対し、皮膚がん、特にメラノーマの場合、細胞の異常な増殖によって形が非対称になる傾向があります。そのため、左右非対称な形状のものや、不整な境界線を持つ皮膚の変化は、皮膚がんの可能性があります。

境目の違い

ほくろは、周囲の皮膚との間にはっきりとした明瞭な境界線があり、形状がはっきりしているのが特徴です。
一方で、皮膚がん、特にメラノーマの場合、境目があいまいで、ぼんやりしていることがあります。そのため、輪郭が不規則な場合皮膚がんの可能性があります。

色の違い

ほくろは、色が均一なのに対して、メラノーマなどの皮膚がんは、色のむらが特徴的です。色むらとは、異なる色調が混在する状態を指し、深い茶色、黒、青、赤、灰色など複数の色が見られることがあります。複数の色が混在するか、色の均一性がない場合は、皮膚がんの可能性が高まります。

大きさの違い

皮膚がんとほくろでは、大きさも異なります。ほくろは6mm以下の大きさで安定しており、時間の経過と共に大きくなることは少ないとされています。しかし、メラノーマなどの皮膚がんは成長速度が早く、6mm以上に成長します。特に、数年の間に徐々に大きくなっている場合は、皮膚がんである可能性が高いと考えられます。
既存のほくろが急速に大きくなる、または新たに大きな変化が見られる場合は、特に注意が必要です。

隆起の違い

ほくろは、皮膚の表面に隆起していることがありますが、急激な変化をもたらすことは少ないとされています。対照的に、メラノーマなどの皮膚がんは、隆起することがあります。特に、平らだった皮膚の変化が時間の経過とともに隆起し始めた場合、皮膚がんの可能性を示唆しています。

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