シニア向けの多彩な生活支援サービス 目的を決め活用しよう

最近では、シニアを対象とした各種の支援サービスが多彩になっています。自宅にこもり、身のまわりのことをすべて自分でするのではなく、必要に応じて支援サービスは、積極的に利用したいものです。すべてを自己完結しなくても何の問題はありません。

自助努力にこだわらず他力も利用

高齢になるにつれ体力が落ち、体の自由が利かなくなり、何かと障害も出てきます。そのような際に、すべて自分で解決することを考えるのではなく、自分でできることと、他人に依頼することを分けて考え、行政や民間の行っている各種の支援サービスを、上手に使うことも大切になってきます。

 

とくに、高齢の夫婦2人暮らしの方や、1人暮らしの方の場合は、家族の多かったころとは異なる生活環境への対応が求められます。シニア向けのサービスを上手に利用することにより、自分の趣味や体力維持のための運動などに、時間を振り分けることができます。

 

何が何でも他人の世話にはなりたくない、という姿勢を取らずに、シニア向けのありがたい支援と受け止め、自分の生活に役立てたいものです。

 

配食サービスを上手に活用

まず利用を考えたいのが配食サービスです。自宅にまで食事を定期的に届けるサービスへのニーズが高まり、配食提供会社の数も増えています。

 

配食サービスは、いわゆる料理店の「出前」とは異なり、一定期間、同一の会社が定期的に食事を届けるシステムです。ここ数年で、食事の準備に苦労する高齢者も多く、ニーズは高まってきました。今後も増加していく見込みです。

 

シニアが配食サービスを選ぶ際、まず考慮すべき注意点は、体の状態に適した食事内容になっているかです。例えば、高血圧や糖尿病といった持病がある人向けに、工夫されたメニューがあるので、持病のある方はそれに沿った選択が可能です。

 

また歯が弱く噛む力が衰えている方向けに、食材も工夫されかみやすい料理として提供されます。ほとんどの配食会社では、選任の管理栄養士がおり、健康状態を考慮してメニューがつくられています。自宅で調理するよりも、味つけや栄養バランスについて十分に配慮されています。似たようなメニューが多く飽きてしまうことは、別の業者にも依頼することでも解決できます。

 

次にポイントとなるのは価格です。老後の生活を圧迫するようなことがあっては困ります。通常料理店から出前をとると、1食あたり1200~1500円ほどかかることもあり、とくに味つけや栄養バランスに対する配慮がないケースもあります。

 

多くの配食サービス提供している会社の1食あたりの価格は、500~700円の価格帯に収まり、7食セット、21食セットといった複数食の提供を受けます。

 

長期にわたり配食を依頼するようだと、さらに低価格で受けることも可能です。朝、昼は自分たちでつくり、夕食は宅配サービスにする、昼と夜に別の配食サービスを依頼するなど、方法も選択できます。いずれにしても1食あたりの価格が600円前後であれば、食材を購入し調理までを自宅で行うことと比較しても、大きな負担とならないと思われます。

 

配食サービスが、安否確認の機能を担う側面もあります。過疎地では郵便局がその役割を担っていますが、配食サービスは都会の1人暮らしのシニアにとって、大切な存在になります。都会では、近所付き合いも希薄なため、配食サービスにその機能を依存できます。実際に介護事業を展開している会社が行う配食サービスでは、この点をしっかりサポートしてもらえるメリットがあります。

 

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