医学的なアプローチにより安全かつ効率的にダイエットをめざす医療痩身。しかし、せっかく医療痩身を受けても、その効果を半減させてしまう行動があります。医療痩身を受けている間は控えたい、知らずにやっているNG行動について、FIRE CLINIC院長の江越先生に教えてもらいました。
≫「医療痩身」の基礎知識と施術を受ける前に知っておきたい注意点を医師が解説!
監修医師:
江越 正敏(FIRE CLINIC)
佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にFIRE CLINIC開業。美容医学、遺伝子学、栄養学、精神医学など肥満治療に関わる多方面から痩身医学研究と実践をする。精神科医としても臨床に当たっており、西洋医学から東洋医学に渡って世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発。
医療痩身とは?
編集部
医療痩身とはなんですか?
江越先生
医学的な根拠に基づいて、医療機関で行う痩身治療のことを医療痩身といいます。一般的なエステではエステティシャンが施術しますが、医療痩身は医師や医療従事者などが施術するという特徴があります。
編集部
どんな人に向いているのでしょうか?
江越先生
自己流のダイエットを続けても効果が見られない人、一旦痩せてもすぐにリバウンドしてしまう人などが向いています。また、できれば食事制限や運動などを避けたいという人にも向いていると思います。
編集部
医療痩身はどのような医療機関で受けることができるのですか?
江越先生
多くの美容クリニックで受けることができますし、そのほか最近では肥満外来やダイエット外来も増えているので、そのようなところでも受けることができます。
編集部
医療機関で行うということは、保険が適用になるのですか?
江越先生
いいえ。通常、医療痩身を行う際には保険が適用になりません。しかし、「BMIが35以上の高度肥満である」「BMIが25以上で糖尿病や睡眠時無呼吸症候群など、肥満が関係する病気を発症している」など、一定の条件を満たしていれば保険が適用になります。詳しくは医療機関でお問い合わせください。
医療痩身の内容とそれぞれの特徴
編集部
医療痩身にはどのような治療があるのですか?
江越先生
医療痩身には、主に次のようなものがあります。
注射をする(脂肪を溶かす「脂肪溶解注射」など)
薬やサプリメントを服用する
痩身機器を使う(脂肪を冷却して排出する機器など)
手術をする(脂肪を吸引する手術など)
これらに加え、食事療法や運動療法などを取り入れながら痩身をめざします。
編集部
それぞれの治療法について、特徴を教えてください。
江越先生
たとえば注射や薬、サプリメントは身体的負担も少なく、手軽に行うことができますが、その反面、副作用があることも多いので注意が必要です。また痩身機器は期待した効果が得やすく、特に通常のダイエットでは難しい部分痩せも実現しやすいという特徴があります。その反面、高額になりやすいというデメリットもあります。
編集部
手術というのは、どういうものですか?
江越先生
手術にもさまざまあり、知名度の高いものに脂肪を吸引する手術があります。これは皮膚に小さな穴を開け、そこにカニューレと呼ばれる管を入れて脂肪を吸い出す方法のこと。非常に効果が高く、すぐに痩せたという実感を得られる治療法ですが、その反面、身体への負担が大きく、事故などの報告例もあります。そのほか、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの病気を併発している患者さんには、胃を小さくする手術などを行うこともあります。
編集部
それぞれの特徴を理解して、自分に適したものを選ぶ必要があるのですね。
江越先生
医療痩身にはさまざまな技術があり、それぞれにデメリットもあります。メリットだけに着目してメニューを選択するのではなく、きちんとデメリットも理解した上で選択することが大切。また施術を受けたあとも痩身効果を継続するために、日常生活で気をつけなければならないこともありますから、施術後も注意が必要です。
配信: Medical DOC