「膵臓がんの末期症状」はご存知ですか?原因や治療法も解説!医師が監修!

「膵臓がんの末期症状」はご存知ですか?原因や治療法も解説!医師が監修!

膵臓がんは発症から発見までの時間が長く、すでに手術による治療ができない程進行して発見されることが多いがんです。

そのため、発症後の死亡率が高いことが特徴です。膵臓がんの末期と診断された場合、どのような症状が出るのでしょうか。

この記事では、膵臓がんの末期の症状・検査・治療法について解説します。膵臓がんと診断された方、または家族が診断された方の参考になれば幸いです。

≫「膵臓がんを発症すると感じる痛みの場所」はご存知ですか?初期症状も解説!

監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

膵臓がんとは?

膵臓がんとは、膵臓に生じた悪性腫瘍です。以下の3つの種類がありますが、膵がんのほとんどは膵管がんを発症します。

浸潤性膵管がん:膵管上皮から発生するがん

腺房細胞がん:腺房細胞(消化酵素を生成)から発生するがん

粘液産生膵がん:年影木を多く産生する膵管内腫瘍ががん化する

膵臓は食べ物を消化する膵液を産生したり、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを分泌したりする働きがあります。がんが発症すると、消化やホルモン分泌に異常をきたしますが、すぐに症状が出るわけではありません。
がんの進行に伴い、徐々に腹痛・食欲不振・お腹の張りなどの症状が出現しはじめます。膵臓がんの悪性度は高く、進行すると完治は困難になるため、予後も悪い病気です。

膵臓がんの末期症状

膵臓がんの末期になると、体重減少・背中や腰の痛み・肝臓転移による倦怠感や黄疸の症状が出現します。順番に見ていきましょう。

体重減少

膵臓がんが進行すると著しい体重減少が出現します。先述したとおり、膵臓には食べ物を消化する働きがあります。消化という正常な働きができなくなった膵臓は、身体に必要な栄養素を吸収できません。
またインスリンの分泌障害により血糖コントロールができなくなるため、糖尿病の発症・悪化の可能性も挙げられます。血糖コントロールができなくなると、高血糖あるいは低血糖症状により身体的な負担につながる原因になるでしょう。

背中・腰の痛み

悪性腫瘍は通常の細胞と比較すると、増殖するスピードが早いことが特徴です。血管やリンパ管に侵入し、ほかの臓器に転移していくでしょう。
末期の状態では、すでにがん細胞が全身に広がっていることも少なくありません。膵臓に発症したがんは炎症を引き起こすため、背中や腰に痛みを伴います。

肝臓転移による倦怠感・黄疸

膵臓は肝臓に隣接している臓器です。そのため、膵臓がんを発症すると、肝臓へ転移する可能性が高いようです。
肝臓には解毒や消化酵素を産生する役割があります。しかし、がんの転移により有害な物質を解毒することが難しくなり、体内に少しずつ有害物質が蓄積され倦怠感・黄疸のような症状につながります。

関連記事: