「偏差値」のしばりをほどいて学校の評価を
野々花さんは、桜子さんいわく「S学園の期待の星」として大学受験に挑戦。見事、現役で難関大学の切符を手にした。大学生活も目一杯楽しんだ野々花さんは今をときめくIT企業に就職。この春から、念願だったアートディレクタ―の仕事に就けることになったそうだ。
最後に、桜子さんがこう言った。
「りんこさんならご存じだと思いますが、私、こないだ中学受験の偏差値表をネットで見てみたんです。そしたらK学院よりもS学園のほうが上で、偏差値が逆転してるんですよ! 私、もう何だか笑っちゃいました。何にしがみついていたのかなぁって……。価値は自分で決めるものなんだなぁって、野々花に学びました。遅ればせながらですが、これからは私も本物の価値を見つけられるように精進しないといけないですよね……」
中学受験の渦中にいると、まるで「偏差値狂騒曲」を奏でているような感覚になることがあろう。しかし、偏差値はあくまで目安。塾会社が独自にランキングしている数値に過ぎない。
偏差値は母集団によって変わり、したがって各塾によっても学校の(数字上の)ランキングは異なり、さらに言えば、年度によっても変わっていくもの。
桜子さんが指摘したように、たった数年であっても、学校ごとに偏差値は大きく変化しているのが現状だ。
個人的意見ではあるが、そんなあってないような数字よりも大事なことがあるように感じている。
これから、中学受験をしようとしているご家庭には、ぜひ一度偏差値というしばりをほどいて、学校を評価してみることをオススメしたい。
そのためには実際に学校に出向いて、流れている風を感じてほしい。そこに笑顔でいる我が子が想像できたならば、その学校が「運命の学校」の可能性は大なのだから。
配信: サイゾーウーマン
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