育休後の職場復帰で大事なことは? 復帰後の不安を解消するための準備&両立のポイント5

育休後の職場復帰で大事なことは? 復帰後の不安を解消するための準備&両立のポイント5

新年度がスタートし、慣らし保育や職場復帰へ向けての準備を進めている方も多いのではないでしょうか。「スムーズに職場に復帰できるの?」「仕事・育児の両立できる?」など、職場復帰への悩みは尽きませんよね。
「たまひよ」アプリユーザーの復帰経験者のアドバイスをご紹介するととともに、キャリアコンサルタントの関小百合さんに両立のポイントと心構えを聞きました。

職場復帰のためにしておいてよかったことは…?

まず、みんなの職場復帰のために事前に準備しておいてよかったこと、逆にやておけばよかったことを聞きました。

◾️自分の時間を作って休むこと
「とにかく自分の時間をつくって休むこと。1人目の育休中は、自分の時間を持つのは悪いことのような気がしていて、なかなか周囲のサポートや支援を受けられなかったのですが、もっと自分の体や心を休めるために時間を使ってもよかったなと思います」(むひ)

◾️託児所などの登録
「病児保育と休日の託児所の利用登録をしておいてよかったです」(るる)

◾️夕飯づくりの下調べ
「カット済み野菜など、夕飯づくりがラクになるモノ・方法を下調べをしておいたのはよかった!」(イシ)

◾️毎日の献立表
「1人目のときはやらなかったが、今後、復帰するときまでにやっておきたいのは、毎日の献立表をつくっておくことです」(つねこ)

◾️平日に済ませたい用事は育休中に!
「とにかく自分の時間がなくなります!平日に済ませたい用事があれば、育休中に!あと、子どものアルバムの整理をしておけばよかった…」(ももん)

◾️新しい部署の理解
「復帰先がどんな部署なのかを確認して、仕事内容を理解しておいてよかったです」(トラミ)

◾️時短勤務にすればよかった!
「時短勤務にすればよかった。フルタイムの方が収入はあるけれど、帰ってからの疲れ方が半端じゃないからです」(すー)

◾️子ども起床・就寝時間
「起床&就寝時間を子どもの身体に覚え込ませておいたほうがいい!」(はな)

「夫婦や家族と今後の仕事や子育てについて話し合うことが大事」と専門家

現在は中国在住で、キャリアコンサルタントとして活躍する関小百合さんに、育休復帰に向けての準備についてアドバイスいただきました。

「皆さん、育休復帰の準備をしっかりされていますね。ただ、1人で『なんとかしなきゃ』、『頑張らなきゃ』と、思われていないかが少し心配です。というのは、育休復帰後は思い通りにいかないことばかりで、私が(ママ)が頑張らなきゃと思ってしまいがちだからです。

両立はワーキングマザーが1人でするものではなく、ワーキングペアレンツで家事・育児をする、もしくは家族や支援者と子育てするという考え方に切り替えることが大切だと思っています。

時短勤務で給料が減るから、多少の負担はしょうがないなどと思わなくていいのです。時短とはいえ仕事をしながら、家事・育児をしていると、動き回っている時間が長くなり、負担が大きくなることもあるからです。

両立の不安や負担を1人で抱え込まないためには、まず育休中からパートナーや家族、支援者と話し合うことがとても大切です。
例えば、フルタイムもしくは時短で会社に復帰するか、仕事で将来、自分が実現したい中・長期的な働き方の希望などをお互いにすり合わせることです。そして、子どもは将来どう育てていきたいか、そのためにパートナーや支援者と家事・育児をどのように分担するかなどについて話し合っておきましょう。
話し合いのときは、ママ自身の思いを伝えると同時に、『あなたはどんな家族、子育てをしていきたい? お互いに働き方をどう変えていくといいかな?』などと相手の思いを聞いてみると、スムーズに話し合えるのではないでしょうか。

仕事は、職場復帰面談を受けて、勤務形態の選択のほか、復帰後の両立の環境(延長保育や病児保育、夫婦の分担など)とともに、仕事に対する意欲などを伝えることが大切です。ご自身の仕事に対する意欲に対して、会社がどう対応するかをすり合わせるよい機会になるはずです。
復帰後の配属先が決まったら、仕事内容だけでなく仕事の評価方法や、将来のご自身のキャリアパスについて、上司と話し合うことも必要です。中には思った仕事ではなかった、評価されていないという不安や不満で、仕事を辞めてしまう人がいるからです。上司との話し合いの時は、権利主張型ではギスギスするので、あくまでも自分ができることを伝える組織貢献型提案がポイントです。

また、子どもの病気など突発的な早退・遅刻もあるので、同僚にも両立環境について伝えておくと、協力を得やすいのではないでしょうか。

私も復帰前は不安だらけで、復帰後もバタバタで反省することがいっぱいでした。私がキャリアコンサルタントとして育休後職場復帰準備セミナーを開催するのは、自分の経験を伝えるだけでなく、両立の負の遺産を私たちの子ども世代まで残したくないという思いがあります。子どもたちが将来働くときには、仕事をすることも子どもをもつことも、彼らが自分で選択できる社会にしていきたいからです。

もちろん両立の不安を解決するには、社会の理解や長時間労働など問題が山積しています。私たち世代が考え方をシフトして行動し、両立の不安を少しずつでも減らしていくことで、生き生きと働く背中を子どもたちに見せられるのではないかと考えています」(関小百合さん)

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