「悪質ホスト」問題を追いかける海外メディア、ジャニーズ性加害問題に続くか

「悪質ホスト」問題を追いかける海外メディア、ジャニーズ性加害問題に続くか

●「海外メディアの『忖度なし』が力になる」

青母連の事務局長・田中芳秀さんによると、この米メディアだけでなく、フランスやドイツのテレビ局からも取材依頼が来ている。また、情報提供を求める欧米諸国の大使館があり、今年に入ってから玄さんと田中さんが出向いた。

海外メディアの取材を受ける理由の1つが「国内メディアでは突っ込めない部分を、海外の人たちは忖度なしで突っ込んでくれる」(田中さん)ためだ。

実際、日本のテレビ局による”忖度”事例が昨年に起きた。現場レベルでは悪質ホスト問題を取材したいと伝えてきたのに、本社の判断で一転して見送りとなったというのだ。

田中さんが、そのテレビ局について調べると、ホストを起用した番組などを制作していた。こうした事情を踏まえ、田中さんは次のように話す。

「海外メディアは、非常に人権意識が高い。この問題を構造的に理解し、人身取引と位置づけてくれる。旧ジャニーズ事務所の性加害問題は、BBC(イギリスの公共放送局)のドキュメンタリーが取り上げて、やっと動き出した。悪質ホスト問題の解決にも、同じように海外メディアの『忖度なし』が力になると考えている」

日本政府も悪質ホスト問題に対して、「人身取引」の表現を使い始めている。3月22日、参院内閣委員会で塩村あやか議員がこの問題を取り上げた。

その際、林正芳官房長官はホストクラブで多額の売掛を背負い、返済のために売春させられる事例について、「人身取引議定書に定める人身取引に該当しうる深刻な犯罪であると認識をしている」と答弁している。

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弁護士ドットコム
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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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