フィギュアスケート選手・小松原美里、「結婚、そして卵子凍結。私の選択」

フィギュアスケート選手・小松原美里、「結婚、そして卵子凍結。私の選択」

卵巣年齢46才!? 検査の結果に衝撃

2023年7月、美里さんは1つの大きな決断をしました。それは「卵子凍結」をすること。

「私が初めてオリンピックに出場したのは2022年。その最終選考を前に、『もし出場できなかったらどうしよう』と思いました。選考シーズンは緊張で生理が来ないし、食べられないし、不安でいっぱいに。だから出場できなかった場合の人生プランや選択肢を持っておくべきじゃないかと考えたんです。そんなとき、ネットで何気なく『アスリート両立』『アスリート妊娠』と調べていたら、スノーボード選手の竹内智香さんが卵子凍結をされたことを知り、『卵子凍結って何?そんな選択肢があるの!?』って。もしオリンピックに出られなかったとしても、まだスケートを続けたいという想いが強かった私には、理にかなった方法のように感じました」

卵子凍結について調べ、経験者から話を聞いて不安を解消したそう。

「経験者に聞けば聞くほど不安が募りました。特に、同じアスリートある智香さんには、どういうトラジション(移行)で競技に復活するのかという話も聞くことができたので、『私にもできるかもしれない』とポジティブに思えました」

夫であるティムさんにも相談。

「『それはなぜ必要なの?』と聞れましたが、私が説明する『美里がやりたいんだったらいいんじゃない』と寄り添ってくれました」

31才のとき、卵子凍結することを決断。自分のために自分で選択した“未来への投資”にはずっと抱えていた不安に対するお守り的な安心感も

こうして、卵子凍結に踏み切ることに。とはいえ、カナダを拠点としている美里さんが日本で卵子凍結を行うためには、スケジュール管理が大変だったと言います。

「アイスショーに出演しながら、排卵を誘発するための自己注射を打って。3日間出演したなかで、最後の日はちょっとしんどかったです。でも、動ける範囲で薬の量を調整してもらうなど、クリニックにも協力していただいて乗り切りました」

そして卵子凍結を進める前にクリニックでAMH(抗ミュラーホルモン)検査を受けると…。

「AMHの値がとても低く、『46才くらいの人と同等』という結果に。『ん? 今31才なのに46才くらいの数値ということは、私の卵巣は閉経も近いような状態なの?』と、愕然としました。それと同時に『このタイミングで卵子凍結をすることにしてよかった』とも思いました」

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