「脳腫瘍の前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説!

「脳腫瘍の前兆となる4つの初期症状」はご存知ですか?原因も医師が解説!

脳腫瘍の初期症状とは?Medical DOC監修医が脳腫瘍の初期症状・原因・セルフチェック法・予防法や何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状がある場合は迷わず病院を受診してください。

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監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)

医師、医学博士。福島県立医科大学医学部卒業。福島県立医科大学脳神経外科学講座助教として基礎・臨床研究、教育、臨床業務に従事した経験がある。現在、東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医。日本認知症学会、日本内科学会などの各会員。

「脳腫瘍」とは?

脳腫瘍と聞くと、怖い病気であるというイメージをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。しかし、日々診断治療技術も進歩しており、適切な治療によって社会復帰される方もいらっしゃいます。
脳腫瘍は、頭蓋内(つまり頭蓋骨の内側)に発生する腫瘍の総称です。そのため、脳の細胞・組織だけでなく、脳を包む膜(髄膜・硬膜)や脳に出入りする神経など、頭蓋内のさまざまな部分に発生する腫瘍はすべて含めて脳腫瘍に含まれます。
脳腫瘍は、毎年約10万人に10人の割合で発生すると言われています。
ひと口に脳腫瘍と言っても非常に多くの種類があるので、総論的な説明になってしまいますが、今回は脳腫瘍の症状を中心に説明いたします。

脳腫瘍の種類

脳腫瘍は大まかに原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍とに分けられます。
原発性脳腫瘍とは脳の細胞や神経・脳を包む膜などから発生する腫瘍のことで、転移性腫瘍とは肺がんや乳がんなど身体の他の部分でできた腫瘍細胞が脳に転移した腫瘍のことを指します。
脳腫瘍は多くの種類があることが特徴で、150種類程度に分類されます。これらの腫瘍には細胞の悪性度によって良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍に分かれます。
一般的に、良性脳腫瘍はゆっくりと大きくなる腫瘍で、正常な脳組織と境界がわかりやすいことが特徴ですが、悪性脳腫瘍は急速に大きくなり周りの正常な組織との境界が不明瞭です。また、悪性脳腫瘍の場合には腫瘍が大きくなることに伴って周りの正常な脳組織にダメージを与えて症状の悪化をもたらすこともあります。転移性脳腫瘍は悪性脳腫瘍の一つに分類されますが、原発性脳腫瘍には良性のものも悪性のものもあります。なお、細胞の悪性度によって良性と悪性とを分類していますが、治療を行う上では、腫瘍が発生した場所によっては、良性の脳腫瘍であっても治療することが難しいというケースもあります。
脳腫瘍は脳神経外科が専門診療科になるので、脳腫瘍を指摘された場合には脳神経外科を受診し、病気に関する疑問点を確認するようにしましょう。

原発性脳腫瘍

原発性脳腫瘍は、脳の細胞や神経、脳を包む膜などから発生した腫瘍のことです。
脳の細胞から発生するものは脳実質内腫瘍といい、脳神経や脳を包む膜から発生するものを脳実質外腫瘍といわれます。
脳実質内腫瘍には、グリオーマ(神経膠腫)や脳悪性リンパ腫などがあります。
脳実質外腫瘍には、脳を包む膜(髄膜)にできる髄膜腫や、脳から出る神経にできる神経鞘腫、下垂体というホルモン分泌臓器にできる下垂体腺腫などがあります。
発生頻度の高いものから、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫があり、これらの4種類の腫瘍で脳腫瘍全体の80%程度を占めます。
15歳未満の小児期でも原発性脳腫瘍は発生します。成人例と異なり、星細胞腫、胚細胞性ら腫瘍、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫などの腫瘍の発生頻度が高いという特徴があります。

転移性脳腫瘍

転移性脳腫瘍は、体内の他臓器のがんが脳に転移した腫瘍で、脳腫瘍の17%程度を占めます。進行がんの10~40%に合併し、肺がんや乳がん、消化器がんからの転移性の腫瘍が多く見られます。
何らかのがん治療を行なっていた際に脳腫瘍の症状が出現し脳転移が見つかることもあれば、まず脳腫瘍が見つかり手術で摘出したのちに病理検査によってそれが身体の他の臓器のがんであることが判明することもあります。

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