「喉の痛みから咳に変わる」のはどうして?原因や対処法も医師が徹底解説!

「喉の痛みから咳に変わる」のはどうして?原因や対処法も医師が徹底解説!

「喉の痛みから咳に変わる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「喉の痛みから咳に変わる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

扁桃腺炎

扁桃腺炎は、喉の奥にある扁桃腺というリンパ組織が細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。発症の原因としては、主にA群β溶血性連鎖球菌による細菌感染や、アデノウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルス感染が挙げられます。
細菌感染が原因の場合には、抗生物質を使用して治療します。適切な抗生物質を処方されるためには、医師の診察が必要です。ウイルス感染が原因の場合には特定の治療薬はありませんが、症状を和らげるために解熱剤や喉の痛みを和らげる薬が処方されることがあります。
自分でできる対処法としては、十分な休息をとり、水分をこまめに摂取することが重要です。また、のどの痛みを和らげるために、うがいやのど飴を使用することも効果的です。
扁桃腺炎の症状がある場合は、内科、あるいは耳鼻咽喉科を受診しましょう。
一方で、以下のような症状がある場合は、早めに病院を受診してください。

喉の痛みが激しく、飲み込みにくい

高熱が続く

扁桃腺が腫れて白い膿が見える

首のリンパ節が腫れて痛む

気管支炎

気管支炎は、気管支の粘膜が炎症を起こす病気です。症状としては、5日間以上続く咳が特徴とされています。主にウイルス感染が原因で発症しますが、細菌感染やアレルギー反応、大気汚染なども原因となることがあります。
ウイルス感染が原因の場合は、特に抗ウイルス薬の投与は行われず、症状を和らげるための対症療法(解熱剤、咳止め、気管支拡張剤など)が中心となります。細菌感染が原因の場合は、抗生物質が処方されることもあります。
急性気管支炎の多くは1〜3週間持続しますが、通常は自然に良くなります。しかし、以下のような症状がある場合は、病院を受診することをお勧めします。

咳が2週間以上続く

咳に血が混じる

高熱が続く

息切れや呼吸困難がある

こうした気管支炎の症状がある場合は、内科または呼吸器内科を受診しましょう。

風邪

風邪は、主にウイルスによって引き起こされる急性の上気道感染症です。一般的にはライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルスなどが挙げられます。風邪は、感染者の咳やくしゃみによる飛沫、手などを介した接触によって広がります。
風邪に特効薬はなく、治療は主に症状を和らげるための対症療法が中心となります。解熱鎮痛剤や咳止め・去痰薬が処方されることもあります。また、充分な休息や水分補給も大切です。
一方、以下のような症状がある場合は、病院を受診することをお勧めします。

高熱が3日以上続く

呼吸困難がある

激しい頭痛や吐き気がある

咳やのどの痛みがひどく、改善の兆しが見られない

風邪の症状がある場合は、内科や小児科を受診することをお勧めします。

咽頭喉頭炎

咽頭喉頭炎は、咽頭(いんとう:のどの奥)と喉頭(こうとう:声帯がある部分)の粘膜が炎症を起こす病気です。主にウイルス感染が原因で起こりますが、細菌感染やアレルギー反応、タバコの煙や大気汚染などの刺激物による影響もあります。症状としては、喉の痛み、声がかすれる、咳、発熱などが挙げられます。
治療法としては、細菌感染が疑われる場合には抗菌薬が使用されます。ウイルス感染の場合には、対症療法が中心となります。例えば、解熱鎮痛剤を使用して発熱やのどの痛みを和らげます。必要に応じて咳止めや去痰薬も使用されます。いずれにしても、充分な休息や水分補給をするようにします。
一方、以下のような症状がある場合は、病院を受診することをお勧めします。

のどの痛みが激しく、飲み込みにくい

発熱が高く、3日以上続く

声がかすれたり、咳がひどくなったりする

呼吸困難がある

咽頭喉頭炎の症状がある場合は、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。耳鼻咽喉科では、喉の状態を詳しく診察することが可能です。症状が軽い場合は、内科でも診察を受けることができます。

「喉の痛みから咳に変わる」時の正しい対処法は?

喉の痛みから咳に変わる時の症状の落ち着かせ方としては、まずは安静にして体力を回復させるために十分な休息をとりましょう。また、水分補給や加湿器の使用によってのどの乾燥を防ぎます。
喉の痛みに対しては、軽いものであれば市販ののど飴やトローチ、うがい薬で症状を和らげます。激しい痛みがある場合は、医師に相談してください。咳に関しては、市販薬の咳止めや去痰薬もありますが、咳の原因によって適切な薬が異なるため、医師や薬剤師に相談することが大切です。症状が軽い場合は、市販薬を使用しても問題ありませんが、症状が重い場合や長引く場合は、医師の診察を受けることが重要です。
軽い喉の痛み、一時的な咳であれば市販薬を使用しても良いと考えられます。一方、市販薬を使用せずに早急な病院受診を考える目安は、高熱や呼吸困難があることなどです。
市販薬を使用する場合は、用法用量を守り、指定された時間ごとに服用しましょう。一方、持病があり薬を処方されている場合には、飲み合わせに注意が必要です。また、アルコールとの併用は避けましょう。副作用や相互作用に注意してください。
喉の痛みや咳の症状は、ウイルスなどへの感染が原因であることが大半と考えられます。そのため、普段からバランスの良い食事をこころがけ、感染に対する抵抗力を高めることが大切です。栄養素としては、例えばビタミンCには風邪の症状を軽くし、早く改善させる効果がある可能性があると言われています。
風邪を早く治したい時は、まずは十分な休息をとりましょう。その上で、症状が重い場合や長引く場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。

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