因縁のライバル?2人の天才ベルニーニとボッロミーニの芸術を解説

ベルニーニとボッロミーニの対照的な作品の特徴


バルベリーニ宮殿の階段

彼らの2人の作品は誰の目から見ても明らかなほどに異なる性質を持っており、その点からも「ライバル」として対比されることは自然な流れでした。ベルニーニは彫刻家の側面も持っていましたが、ボッロミーニは基本的には建築家としてのみ活躍していたため、建築作品で比較してみましょう。

荘厳でずっしりとしたベルニーニの建築作品は、権威を象徴する重厚感が特徴です。一方ボッロミーニの作品は流動的な印象があり、今にも動き出しそうな不安定さがあります。

2人の芸術の違いを理解するために最適な例は、バルベリーニ宮殿(現在は国立美術館)の階段です。正面入り口向かって左の階段はベルニーニが、右の階段はボッロミーニが設計したことで知られています。

ベルニーニの階段が荘厳で落ち着いた作りであるのに対し、ボッロミーニの階段は優雅で躍動的な構造ですね。いずれの階段も国立美術館を訪れる人が実際に通ることができ、2人の天才の作品を文字通り肌で感じることができます。

巨匠ベルニーニとボッロミーニは、互いに分かり合えない部分がありつつも、「ライバル」として切磋琢磨しながらイタリア・バロックの一時代を作っていきました。背景を知ると、作品がより面白く見えますね。以上、因縁のライバル(?)、ベルニーニとボッロミーニについてでした!

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