写真:PIXTA
台風や大雨、地震などによって発生する土砂崩れ。傾斜が急な山が多い日本では、がけ崩れや地すべり、土石流などの土砂崩れが起こりやすく、毎年のように土砂災害をもたらします。
土砂崩れは、一瞬のうちに生命や家屋などを奪い甚大な被害をもたらします。
この記事では、土砂崩れが起こりやすい条件や発生事例から、避難や対策について知っておきたいことを紹介します。
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自宅が土砂災害警戒区域かどうか確認しよう
土砂崩れに備えるためには、まず自宅が土砂災害警戒区域に入っているかハザードマップで確認しましょう。
ハザードマップは住んでいる市区町村の役所やホームページで入手できますが、国土交通省が運営している重ねるハザードマップでも簡単に調べることができます。
まずは「重ねるハザードマップ」にアクセスしてください。
土砂災害という項目にチェックを入れ、「急傾斜地の崩壊」「土石流」「地すべり」にそれぞれチェックを入れます。
引用:国土交通省「重ねるハザードマップ」
自宅のある場所が黄色や赤色に着色されている場合は土砂災害のリスクがあります。
なお、土砂災害警戒区域とは、土砂災害が発生した場合に住民の生命や身体に危害が生ずるおそれがあると認められる区域のことで、イエローゾーンとも呼ばれます。
また、土砂災害警戒区域の中でも特に建築物の損壊や住民の生命に危害が生じるおそれがあるエリアを「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」といいます。
避難すべきタイミング
土砂災害の避難すべきタイミングは、「土砂災害警戒情報」が発表された時です。
土砂災害警戒情報とは、大雨警報(土砂災害)の発表後、命に危険をおよぼす土砂災害がいつ発生してもおかしくない状況になったときに、市町村の避難指示の発令判断や住民の自主避難を支援するため、気象庁と都道府県が共同で発表している情報です。
土砂災害警戒情報の発表は以下の図の「避難が必要となる警戒レベル4(避難指示)」に相当します。
引用:気象庁「土砂災害警戒情報・土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)」
土砂災害警戒情報が発表されたら、土砂災害警戒区域外に避難する必要があります。
なお、土砂災害警戒情報の前段階となる大雨警報(土砂災害)は警戒レベル3(高齢者等避難)に相当します。
警戒レベル3では、高齢者は土砂災害警戒区域外に避難が必要となり、それ以外の人も普段の行動を見合わせたり、避難の準備をしたり、自ら避難の判断を行わなければなりません。
土砂災害(土砂崩れ)の前兆
土砂崩れには、がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)と地すべりと土石流の3種類があります。ここでは、それぞれの種類の特徴や前兆を紹介します。
がけ崩れ(急傾斜地の崩壊)
引用:神奈川県「がけ崩れとは」
がけ崩れは、地中にしみ込んだ水分が土の抵抗力を弱め、雨や地震などの影響によって急激に斜面が崩れ落ちることで起こります。突発的に起こりやすいことから、人家の近くで発生すると逃げ遅れるケースも多く、死者の割合が増えやすい特徴があるので注意が必要です。
がけ崩れには以下のような前兆が見られる場合があります。
・斜面に亀裂が生じる
・小石が斜面からぱらぱらと落ちる
・斜面から異様な音や地鳴りがする
・湧水がにごる
・水の吹き出しが見られる
このような現象が見られる場合はがけ崩れに要注意です。
地すべり
引用:国土交通省「地すべりとその対策」
地すべりは、斜面の一部や全部が地下水と重力の影響によりゆっくりと斜面下方に移動する現象です。地すべりは動く範囲が広いことから家や田畑、道路、鉄道などが一度に大きな被害を受けてしまいます。
地すべりには以下のような前兆が見られる場合があります。
・地鳴りがする
・地面が振動する
・山腹や地面にひび割れや亀裂、段差が発生
・舗装道路やトンネルにクラックが生じる
・建物が変化する(壁に隙間、戸の締まりが悪いなど)
・沢や井戸水などがにごる
・斜面や地面から水が吹き出す
・電柱や樹木が傾く
・山鳴りがする
このような現象が見られる場合は地すべりに要注意です。
土石流
引用:国土交通省「土石流とその対策」
土石流は、山や谷の土砂が大雨で崩れ、水と混じってどろどろになって勢いよく麓に向かって流れることで起こります。鉄砲水や山津波などは、土石流の別称です。土石流は自動車と同じくらいのスピードで谷を削りながら流れ下るため破壊力があり、家や田畑、道路が押し流されたり、人が亡くなったりするなどの被害が生じます。
土石流が発生する前には以下のような前兆が見られる場合があります。
・泥臭いニオイがする
・雨が降っているのに河川の水位が急激に下がる
・山鳴りがしたり、立ち木の裂ける音や石がぶつかりあう音がしたりする
・地鳴りがする
・川の水が濁ったり流木が流れてきたりする
このような現象が見られる場合は土石流に要注意です。
配信: 防災ニッポン