「涙が出て、言葉が出なかった」 がんの妻支えるパキスタン男性に「在留特別許可」与えられる

「涙が出て、言葉が出なかった」 がんの妻支えるパキスタン男性に「在留特別許可」与えられる

●「とっくに在留特別許可が付与されてしかるべきだった」

法務省の在留特別許可のガイドラインでは、日本人または永住者と婚姻関係が成立していて、夫婦として相当期間の共同生活を送っていて、相互に協力して扶助し、夫婦の間に子どもがいるなど、婚姻が安定かつ成熟している場合は、「積極的要素」として考慮されることになっている。指宿弁護士は次のように述べた。

「とっくに在留特別許可が付与されてしかるべき事案だったと思います。退去強制令書が出てから、なぜか17年間も、訴訟3回、再審情願8回を経なければ付与されないのは大変残念なことです。ただ、遅ればせながら、こういう形で在留特別許可が出たことは評価はできることで、同じような状況にある、つまり、ガイドラインにしたがって在留特別許可を付与すべき人に対して、(入管は)すみやかに在留特別許可を付与していただきたい。

今回、入管がみずからやったわけではなく、裁判所の”事実上の和解勧告”によってされました。裁判所全体、あるいは東京地裁行政部が、今までよりも、外国人の在留資格に関する裁判で、人権・人道に配慮した判断をするようになってきているのではないかと感じています。その流れの一つとして、本件についてもとらえていきたいと思います」

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「専門家を、もっと身近に」を掲げる弁護士ドットコムのニュースメディア。時事的な問題の報道のほか、男女トラブル、離婚、仕事、暮らしのトラブルについてわかりやすい弁護士による解説を掲載しています。
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