日本で見られるペンギンは11種類
日本は世界でも有数の「ペンギン好きの国」。
ペンギンモチーフのキャラクターはさまざまあり、ペンギンに親しみを感じる人は少なくありません。
そんな日本では、18種類いるペンギンのうち11種類が飼育されているといわれています。
日本で見られるペンギンについて見ていきましょう。
コウテイペンギン
【身長】約90~110cm
【体重】約30~45kg
【見られる場所】名古屋港水族館、アドベンチャーワールド
世界最大のペンギン。
一生のほとんどを、南極の氷の上で過ごします。
耳や胸に黄色の筋模様が入っているのが特徴です。
オウサマペンギン
【身長】約75~80cm
【体重】約15~18kg
【見られる場所】鴨川シーワールド、八景島シーパラダイス、長崎ペンギン水族館 など
外見はコウテイペンギンに似ていますが、サイズは一回り小さめです。
喉のあたりのオレンジ味が強いのも見分けるポイントの1つ。
どうしても分からないときは、ヒナを見てください。
キウイのような茶色いヒナを連れていたらオウサマペンギンです。
アデリーペンギン
【身長】約55~60cm
【体重】約3.5~5kg
【見られる場所】名古屋港水族館、アドベンチャーワールド、八景島シーパラダイス など
顔が黒く、目の周りが白いのが特徴です。
尾羽が長く、若鳥はアゴの下が白くなっています。
さまざまなキャラクターのベースになっているおなじみのペンギンですが、気性はやや荒っぽい傾向です。
ケープペンギン
【身長】約55~60cm
【体重】約3~3.5kg
【見られる場所】仙台うみの杜水族館、アクアパーク品川、マリンワールド海の中 など
南アフリカに生息するペンギンです。
白いお腹に斑点があり、胸には黒いラインが入っています。
マゼランペンギン
【身長】約58~62cm
【体重】約3.8~4kg
【見られる場所】鴨川シーワールド、志摩マリンランド、大分マリンーンパレスうみたまご など
マゼラン海峡を発見した「マゼラン」の名を冠するペンギンです。
マゼランの世界一周航海で初めて発見されました。
ケープペンギンと似ていますが、ケープペンギンよりも黒の面積が多めです。
ジェンツーペンギン
【身長】約65~70cm
【体重】約4.5~6kg
【見られる場所】旭川市 旭山動物園、海遊館、長崎ペンギン水族館 など
ペンギンの中で最も泳ぐのが速いといわれるのがこのジェンツーペンギン。
頭にヘアバンドのような白いラインが入っているのが特徴です。
その姿がインド系の人々を連想させたことから「ジェンツー(異教徒を意味する言葉)」と呼ばれるようになったといわれています。
また、2020年にデンマークで飼育されていたジェンツーペンギンは41歳141日も生きたとしてギネス世界記録に登録されています。
話は変わりますが、恐らく多くの日本人がペンギンの足を黄色で表現しているかと思います。
しかし、実際に足が黄色なのはこのジェンツーペンギンであり、他のペンギンは黒やピンクなのです。
ヒゲペンギン
【身長】約60~65cm
【体重】約3.5~5kg
【見られる場所】名古屋港水族館、アドベンチャーワールド、長崎ペンギン水族館
アゴにあるラインがヒゲのように見えることから、このような名前となりました。
またアゴのラインをあごひもにたとえ、「アゴヒモペンギン」と呼ばれることもあります。
ちなみにヒゲペンギンの学名は「Pygoscelis antarctica」。
“antarctica”は南極という意味ですが、南極で繁殖をしないという変わった学名の持ち主でもあります。
イワトビペンギン
【身長】約40~52cm
【体重】約2~4kg
【見られる場所】旭川市旭山動物園、新潟市水族館 マリンピア日本海、下関市しものせき水族館「海響館」 など
名前の由来は、このペンギンが岩場をぴょんぴょん跳び回ることにちなんでいます。
金色の冠羽(かんう・かんむりばね)と赤い目が特徴で、性格は攻撃的です。
マカロニペンギン
【身長】約55~65cm
【体重】約3.5~6kg
【見られる場所】箱根園水族館、下関市しものせき水族館「海響館」
「マカロニ(伊達男)」と呼ばれるのも納得の、魅力的な金色の冠羽が特徴です。
生息地では、何十万羽が集まる超巨大規模のコロニー(集団繁殖場所)を形成することで知られています。
コガタペンギン
【身長】約32~35cm
【体重】約1kg
【見られる場所】東京都葛西臨海水族園、長崎ペンギン水族館
「フェアリーペンギン」とも呼ばれる最小のペンギンです。
ただし縄張り意識が強く、見かけによらず攻撃的な性格をしています。
フンボルトペンギン
【身長】約55~58cm
【体重】約3.5~4kg
【見られる場所】おたる水族館、日立市かみね動物園、宮島水族館 など
胸に伸びる、太く黒いラインが特徴のペンギンです。
日本の気候と相性がよく、北海道から鹿児島までのさまざまな水族館や動物園で飼育されています。
日本で飼育されているペンギンの約1割は、フンボルトペンギンです。
ペンギンに起こっている危機
ペンギンの寿命は、10~20年です。
しかし近年深刻化する環境破壊や地球温暖化の影響により、ペンギンの中には絶滅の危機に瀕しているものもいます。
ペンギンが直面している脅威について考えてみましょう。
ペンギンの個体数が減少
アメリカの科学者が2020年に実施した調査によると、南極半島の近くのエレファント島にいるヒゲペンギンは1970年代と比較して約60%減少していることが分かりました。
またコウテイペンギンも減少の傾向が顕著となっており、2050年までには「26~47%減少する」との予測が出ています。
これを受けて米内務省の魚類野生生物局(FWS)は、コウテイペンギンを「絶滅危惧種保護法」の対象に含めることを発表しました。
ペンギンの個体数が減少している原因
ペンギンの個体数が減少している原因は、さまざまあります。
いくつかを見ていきましょう。
▼海氷面積の減少
地球温暖化により海水の温度が上昇し、南極の氷が溶けています。
氷上で暮らすペンギンは、敵から身を守ったり繁殖したりすることができなくなってしまいました。
▼ペンギンのエサの乱獲
南極海の海氷が溶けたことにより、漁船が南極の奥地まで入り込めるようになっています。
漁船がペンギンのエサである「ナンキョクオキアミ」を乱獲したことにより、ペンギンの食料が不足する事態となってしまいました。
▼人間による環境破壊
海洋汚染により、ペンギンのエサとなる魚も汚染物質を含むようになっています。
有害なエサを食べ続けたことにより、繁殖力の低下や幼鳥の生存率低下といったトラブルが現れるようになりました。
まとめ
ペンギンのキャラクターが至るところに存在する日本は、世界有数の「ペンギン好きの国民」です。
世界ペンギンの日をきっかけに、週末は水族館や動物園に足を運んでみてくださいね。
また地球温暖化や海洋汚染により、かわいいペンギンたちも大きなダメージを受けています。
世界ペンギンの日には、「ペンギンのために、私たちができること」についても考えてみてはいかがでしょうか。
文/カワサキカオリ
配信: ASOPPA!
関連記事: