「膵臓がんの食事」で気を付けるポイントはご存知ですか?予防する食事も解説!

「膵臓がんの食事」で気を付けるポイントはご存知ですか?予防する食事も解説!

膵臓がんは、消化酵素やホルモンを分泌する膵臓にがんができる病気です。膵臓は食べ物の消化や血糖値に関わる臓器であるため、がんになると食生活にも影響を及ぼします。

では、膵臓がんの食事ではどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。

今回の記事では膵臓がんの治療と食事について詳しく解説します。また、避けるべき食品や栄養面で注意したいポイントも紹介するので、気になる方は参考にしてください。

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監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

膵臓がんとは

膵臓がんとは膵臓にできるがんの病気で、一般的に膵臓の膵管にできるがんのことを指します。膵臓は胃の後ろにある細長い形をした臓器です。食べ物の消化を助ける膵液・血糖値を下げるインスリンというホルモンを分泌します。
作られた膵液は膵管を通って、隣接している十二指腸に注がれます。膵臓がんは、膵液を分泌するのに欠かせない膵管ががん化することで発症するケースが少なくないようです。腫瘍が小さくても膵臓周辺のリンパ節や肝臓に転移しやすい特徴があります。
また、初期の段階では症状が出にくく早期発見が難しいといわれています。進行すると食欲不振・腹部膨満感・背中や腰の痛みなどの症状が現れるほか、糖尿病を発症する場合もあるようです。
膵臓がんは、糖尿病や肥満などの生活習慣病・飲酒・慢性膵炎などが原因と考えられています。また、ご家族に膵臓がんを患った方がいる場合は発症リスクが高まるようです。

膵臓がん治療中の食事で避けるべき食品

膵臓がん治療中の食事は、体力を維持したり病状を管理したりするのに重要です。しかし、すべての食品が膵臓がんの治療に役立つわけではありません。
一部の食品はがんの進行を促進したり治療効果を抑制したりする可能性があります。ここからは、膵臓がん治療中の食事で避けるべき食品を紹介します。

高脂肪食品

脂質の過剰摂取は膵臓がんと関連するといわれています。そのため、ばら肉やもも肉のように脂身の多い肉・バター・揚げ物などの高脂肪食品の摂取を避けるようにしましょう。

塩分の多い食品

塩分の多い食品も避けるべきといわれる食品の1つです。特に干物・たらこ・塩辛などの塩蔵食品を多く摂取すると、がんのリスクが高まるといわれています。魚の干物をよく食べる場合は生魚に変えるとよいでしょう。
また、塩蔵食品だけではなく、塩分を多く含む調味料も控えることが望ましいです。味付けする際は減塩調味料を使う・お酢や柑橘類などの酸味を使うといった工夫をするのがおすすめです。

消化に悪い食品

膵臓がんになると消化機能が落ちる可能性があるため、消化に悪い食品も避けるべきでしょう。消化に悪い食品は脂肪の多い食品・食物繊維の多い食品です。
食物繊維の多い食品は、ごぼう・たけのこ・きのこ・海藻などが挙げられます。野菜を摂取する場合はキャベツや大根など食物繊維が少ないものを選ぶとよいでしょう。

香辛料が効いた食品

香辛料が効いた食品のように刺激のあるものも避けた方がよいでしょう。香辛料も消化に負担をかけるといわれています。膵臓がんの治療中は、カレーや唐辛子などを使用した料理を避けることが望ましいです。
なお、刺激物とされるコーヒーも膵臓がんに関連があるといわれているため、コーヒーも控えるようにしましょう。

アルコール

アルコールは膵臓がんの発症リスクを高めるものといわれており、治療効果を抑制する可能性があります。特に飲酒量が多いと膵臓がんと関連が強くなるとされるため、治療中は避けた方がよいでしょう。
ただし、お酒による影響は個人差があるため、飲酒量は医師に相談するのが望ましいです。

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