年の差きょうだいの育児において、親が注意すべきことはどんなことだろうか。
「きょうだいの年の差がある場合、気をつけなければいけないのは、下の子ができたとき、上の子に対して今まで以上に愛と手と目をかけてほしいということです」
そう話すのは、教育カウンセラーの庭田真理子さん。
年が近いきょうだいよりも、上の子は成長していていろいろわかるだけに、聞き分けの良い子になってしまうそう。
「上の子は、素直に『寂しい』などと言えないから、そこは気をつけてあげてほしいと思います。どんなに下の子と年が離れていても、子どもにとって一番欲しいものは、親の愛ですから」(庭田さん 以下同)
また、上の子が下の子のお世話をいろいろやってくれて便利だからといって、任せっきりにしてしまうのはNGだとか。
「上の子が女の子だと、特に下の子の面倒をよく見てくれますが、大切なのはお姉ちゃんを認め、褒めてあげること。また、お姉ちゃんが何か話したそうにしていたら、きちんと向き合って丁寧に話を聞いてあげましょう」
●上の子の学校行事こそ親はぜひ行くべき
下の子が小さいと、上の子の学校行事などに行くのも大変な面はある。しかし、それこそが「親の出番」と考え、ぜひ行ってあげてほしいと庭田さんはいう。
「上の子は親が大変そうだと思って、自分を抑えて良い子になり、『来なくていいよ』『無理しないで』というかもしれません。特に上の子が男の子だと、思春期や反抗期には『来なくて良いよ』といいますが、本当は来てほしいはず。反抗するのは、親の愛が欲しい場合が多いです」
一方、下の子は甘えることも、親の気をひくことも非常に上手いので、心配は無用。むしろ、できる限り上の子を立ててあげる子育てを意識しよう。上の子に自分が大切にされている気持ちが育つことで、下の子を本当にを思いやる気持ちが育つ。むしろ「上の子は友達ではなく、お兄ちゃん・お姉ちゃんなんだということをきちんと教えるべき」だとか。
「子どもはもともと生きる力があるので、親が育てるとか、なんとかしてあげるとか思う必要はないんですよ。ちょっと放っていて、ちょっとひいて見てあげる、下の子に対する接し方くらいが、ちょうど良いんです」
だが、誰でも一人目のときは初めての子育てであるため、不安で、力いっぱい頑張ってしまい、厳しくなってしまいがち。
だからこそ、年の差きょうだいにおいては、上の子に対して褒めること・目をかけることを忘れないようにしたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)