●月末の金曜日は仕事を早く切り上げる?
プレミアムフライデーとは、「月末の金曜日」の就業時間を午後3時に早めるように、政府が企業に呼びかけている制度の事。その第一回目の月末金曜日が、今月の24日。すなわち月末の金曜日ということです。
世耕経済産業大臣は「政府としては、プレミアムフライデーの取り組みがデフレ的な傾向を変える、1つのキッカケになることを強く期待している」とコメント。プレミアムフライデーで早く退社できるメリットを活かして、家族旅行にいったり、家族団らんをしたり、様々なメリットがありそうです。また、デパートなどでは、セールを実施したり、特別なサービスを提供したりすることを想定しているところもあるのだとか。
●メリットだけじゃない 隠れたデメリットとは…
すべての人が、月末の金曜日に早く家に帰れたらいいのですが、やはりそううまくはいかないもの。SNS上ではプレミアムフライデーについて様々な意見が寄せられています。喜ぶ人もいれば、自分にとってはむしろマイナスなのでは…と嘆く意見まで。いくつか紹介します。
【プレミアムフライデー賛成の意見】
・半ば強制的に退社させられるにせよ、自由に使える時間が増えるのは嬉しい
プレミアムフライデーを導入する企業に勤めている人は、純粋に早く帰れることが嬉しいようです。ただ、一方で、時間の使い方に困るといった意見も。
【プレミアムフライデー反対の意見】
・うちの会社では導入どころか話すら出ていない
・弊社ではプレミアムフライデーに15時で帰ると午後半休扱いに…。それでは意味がない
そもそも、今月24日からプレミアムフライデーを実施する会社はとても少なく、2017年2月20日、SANSPO.COMの記事によると、導入検討企業は「わずか2%」だそう。
そして、プレミアムフライデーは導入するが、午後半休扱いになる、といった意見も数多く、それは本当にプレミアムフライデーなの? と首をかしげてしまいます。
●午後3時に帰るのはいいけれど、残った仕事はどうするの?
なかには、プレミアムフライデーで午後3時に帰宅すると、土日出勤が増えるのではないうかという懸念を示す人まで現れました。確かに、金曜日に早あがりしたら、残った仕事はどこでこなせばいいのか。さらに、月末は仕事の量が増え、いつもよりも忙しい日でもある人が多い…。仕事の効率がよくなるわけでも、仕事の量が減るわけでもない、となると、平日の残業時間が増え、最悪の場合は土日に出勤して挽回…。そうなったら本末転倒の制度になってしまいかねません。
労働環境が見直されることは良いことですが、プレミアムフライデーは、どうしたら本当に労働者のためになるのか、どうすれば採用する企業が増えるのか。まだ始まったばかりの制度なので、見守っていくしかなさそうです。
(文・山本健太郎/考務店)