●ママも自然体で遊びを楽しむ
てぃ先生いわく、子どもと遊ぶときは、子どもに合わせすぎないことがポイント、とのこと。
「まずは自分自身が楽しむことだと思います。たとえば、積み木で遊ぶときに、“子どもがどうしたいのか”をすごく重視する親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか? 『ここを建物の入り口にするのかな?』とか、子どもの意向を考えすぎてしまう。それだと、遊びなのに疲れちゃうと思うんです。逆に、自分もこういうのを作ってみたいと、ワクワクしてみる。『ママはこっちにお城を作ろうかな』と、自分も楽しくなるように本気で遊んでみるといいと思います。子どもの遊びって、大人からするとつまらなく感じてしまうかもしれませんが、子どもに合わせたところで楽しめないですし、子どもにそうした感情が伝わっては台無しです」(てぃ先生、以下同)
こうした家庭での遊びを通して、保育園でも幼稚園でも大事な協調性を育めるそう。
「入園前の子たちって、お家でばかり遊んでいると“トラブル”を経験できないんです。パパやママは、いつも自分を優先してくれるんだから当たり前ですよね。だからこそ、『ママはここにお城を作りたい、線路を作りたい』っていう、遊び相手としての意思を示してあげることが大事なのかなと思います。すると、子どもは『いつも自分の思い通りに行くわけじゃないんだ』と学べたりするわけです。だから、お家での遊びこそ、ママたちも主体的に楽しむべきだと思いますし、その中で協調性を育んでいければいいのではないでしょうか」
●親との遊びは社会性が身に着く第一歩
子どもが思うまま、ただただ気持ちよく遊ばせるだけではなく、親が遊び方をちょっと変えるだけで、子どもの成長を促すようなアシストができるのかもしれません。
「保育園に通い始めると、『何でうちの子はあんなに協調性がないんだろう』とか、『何であんなにワガママばかり言うんだろう』と思われる親御さんも多いと思いますが、自分の主張がなんでも通ってきた世界で過ごしてきているので、仕方ないことなんです。そこにポンって放りだされるわけなので、協調性を持てというほうが無理あると思います」
ちなみに、てぃ先生自身の好きな遊びは“モノづくり系”とのこと。
「親御さんも、子どもとの遊びの中で自分が好きだと思うことを見つけて、子どもに提案してみてください。ママたちの方からこれやりたいって言われたら、子どもたちものってくると思うんです。『ママって砂遊びが好きなんだ』って思ったら、次からは子どものほうから『ママ、砂場に行こう』って誘ってくることもあるはずですよ。大好きなママが好きな遊びだから、自分も好きなんです。子どもって意外と、そうした機微を汲み取るんです」
子どもとのポイントは、子どもの好きなように遊びに“付き合う”のではなく、親自身も遊びを積極的に“楽しむ”こと。ママが意識の持ち方をちょっと変えるだけで、遊びの時間が子どもにとってより特別なひとときになるようです。
(取材・文=末吉陽子/やじろべえ)