貝に毒が…?安全のために潮干狩りの前に調べて欲しい注意すべきこと

第781回 今日のこれ注目!ママテナピックアップ
3月に入り、そろそろ潮干狩りシーズンの到来。家族で潮干狩りに行き、海水に濡れながらも一生懸命貝を採ることは、子どもにとって楽しい思い出になるはず。しかし、採ってきた貝を食べて体調を崩してしまったら…。楽しい思い出が苦しい思い出に早変わり。潮干狩りの際に気を付けなければならない食中毒、「貝毒」についてまとめ、簡単にできる砂抜きの方法も紹介します。

貝に毒が…?安全のために潮干狩りの前に調べて欲しい注意すべきこと

加熱しても消えない「貝毒」

そもそも「貝毒」とは何なのか。字の通り、毒をもった貝のこと。有毒なプランクトンを貝が捕食することで、その毒が蓄積していき、貝自体が毒を持つようになるのです。見た目では、毒を持っているか判断がつかず、加熱調理をしてもこれら毒が消えることはないので厄介。日本国内で採れるアサリやホタテ、牡蠣などの二枚貝が持つ貝毒は、おもに以下の2種類といわれています。

1)麻痺性貝毒
”フグ毒中毒によく似る。食後30分程度で軽度の麻痺がはじまり、麻痺は次第に全身に広がり、重度の場合は呼吸麻痺により死亡することがある”(厚生労働省ウェブサイトより引用)

2)下痢性貝毒
”おもな症状は消化器系の障がいで、下痢、吐き気、嘔吐、腹痛が顕著である。症状は食後30分から4時間以内の短時間で起こる。回復は早く通常は3日以内に回復する。後遺症はなく、死亡例もない”(厚生労働省ウェブサイトより引用)

見た目で判断がつかず、どうやって調理しても毒が消えない。そんな貝毒を回避する方法は「貝毒を持っていない貝を採ること」。でも一体どうすれば判別がつくもの?

貝毒のない貝を採るにはどうしたらいい?

貝毒の情報はインターネットで「(都道府県名) 貝毒情報」と検索すると、各都道府県が発表している貝毒検査の結果を見ることができます。また、有料の潮干狩りスポットでは、独自に貝毒の検査をしているところもあるので、潮干狩りに出かける前に問い合わせをすると安心。

ちなみに、スーパーなどで市販されている貝については貝毒の心配はほぼないと言ってもよさそう。厚生労働省のウェブサイトによると、麻痺性貝毒や下痢性貝毒による食中毒防止のため、定期的に有毒プランクトンの出現を監視し、おもな貝の毒性を測定、規制値を超えたものを出荷規制しているのですって。

簡単にできる「砂抜き」の方法

貝毒の心配がない貝を採ってきたら、早速晩御飯の食材として使いたいところ。その上で大事なのが「砂抜き」ですよね。海水と同じ濃度の塩水に貝を浸して、暗闇に数時間置いておく…というのが一般的な方法のようですが、ちょっと時間がかかりすぎて嫌だなと思っているママもいるはず。そこで、短時間で簡単に砂抜きができる方法をご紹介。用意する物は平らな網つきのバット、もしくは水切りかご。そして50度の温水。砂抜きの方法は以下の通り。

1)網付きのバット(水切りかご)に洗った貝を入れ50度の温水を貝の頭が少し出るくらいまで入れる
2)貝同士を強めにこする
3)5分くらいで貝が砂を吹き始めるので、水が濁ってきたら新しい温水に換える
4)2を繰り返し、15分ほどで砂抜き完了!

熱湯を使ってしまうと、貝の旨みが出てしまうのでギリギリ火が通らない50度程度のぬるま湯を使用するのがポイント。
ボウルで砂抜きをする家庭も多いかもしれませんが、ボウルだとせっかく貝が砂を吐いても、また吸い込んでしまう可能性が…。網つきのバットや水切りかごを使うと、吐いた砂が下に落ちるのでオススメですよ。

家族で楽しく安全な貝を採って、おいしい晩御飯に。しっかりとした知識を持って、春のレジャー、潮干狩りを楽しみましょう。
(文・山本健太郎/考務店)