「学校はママが楽しむ場ではないですから、ほかのママと仲良くしたければすれば良いし、そうでなければ、無理に友達を作らなくても良いんです」
ママ向けの子育て講座などを開催しているファインコーチングの山崎洋実さんはそう話す。
あくまで「母親」としての役割で、淡々と学校に行けば良いわけだが、お母さんが学校に来ることで、ときには思いがけない「副産物」もあるそう。
「お母さんが学校に来るのは、子どもにとってうれしいもの。特に子どもが低学年のうちはなおさらで、最初は嫌々ながらでも、お母さんが委員やボランティアなどをやっているのを見ると、子どもが影響を受けて積極的になるということはあります」(山崎さん 以下同)
ママは日頃から子どもに対して「何にでも積極的に」と口では言うのに、自分自身は意外と消極的であることも多いもの。しかし、お母さんが口で何度も言うよりも、「自分のためにやってくれている」という姿を見ると、子どもも頑張ることがあるそうだ。
●ママが学校へ行くと、思いがけない「副産物」が生まれる
「また、お母さんが先生とつながりを持つと、子どものことや学校のことがよくわかり、情報が集まります。すると、先生や学校に対してもプラスのイメージを持ちやすいということがあります」
なかには、自分の子の問題点ばかりが気になり、「学校に行くと、先生から嫌なことを言われるだけ」と思い、学校を避けていたママが、先生と仲良くなってみると、学校での様子をいろいろ教えてもらい、今まで気づかなかった我が子の良いところに気づけたなんてケースもある。
「ただし、そうしたうれしい変化は、あくまで自分の行動に対する副産物、『ギフト』と考えましょう。学校へ行くのが怖い、苦手だというママが、気乗りしないのに『子どもが積極的になるように』『先生と知り合いになったほうが良いから』という目的だけで無理に頑張るのは、負担になるだけです」
とはいえ、子どもとママが深くかかわることができる時期は、小学校くらいまで。ママ友づきあいや先生とのつきあいはさておき、「我が子の姿を間近で見られる機会」として、学校には可能な範囲で足を運んでおきたいものだ。
(田幸和歌子+ノオト)