●加齢とともに膣の自浄作用が弱まる?
「膣内には『デーデルライン桿菌(かんきん)』という善玉菌が常在して、膣を常に酸性に保って外部の細菌から守っています。加齢とともにこの菌が減少し、自浄作用が弱まって雑菌が増える可能性が考えられます」(松村先生 以下同)
また、生理の経血は雑菌にとっては格好の栄養源になるため、生理中はさらに雑菌が増えてニオイが気になる傾向が強くなるという。
善玉菌をなるべく保ち、雑菌を寄せ付けないようにするためにはどのようにしたらいいのか。
「年齢に関係なく気をつけてほしいのが、ニオイが気になるからといって膣内洗浄液(ビデ)を使いすぎないこと。膣内の善玉菌まで洗い流して自浄作用が弱まり、逆効果になってしまいます。同様の理由から、ウォシュレットのビデ機能も、1日2~3回にとどめておきましょう」
清潔を気にするあまりに何度も洗うと、逆効果となってしまうようだ。
腸内環境と膣内環境はつながりがあるといわれているので、気になるようなら腸内環境を整えるような健康食品などを取り入れてみると改善のポイントになるかもしれない。
ただし、魚が腐ったようなニオイや、オリモノが異臭を放っているようであれば何らかの病気の可能性もあるので、早めに受診をしよう。
●生理前、体臭が気になる…
排卵期から生理が始まる前、自身の体臭が気になるというケースも存在する。特にワキガのようなニオイがして気になる人もいるようだ。
「ワキガはアポクリン汗腺からでる汗の成分のタンパク質などが常在菌に分解されることで起こるニオイです。排卵後に分泌される黄体ホルモン・プロゲステロンの働きにより、皮脂が活発に分泌されると、アポクリン汗腺が刺激されて、ニオイがきつくなることも」
加齢とともに皮脂が酸化しやすくなるため、それがニオイの原因となっているかもしれない。
対処方法としては、こまめに汗を拭き取ること。汗拭きシートや制汗剤などでデオドラントケアを行うことで、ある程度は抑えられる可能性が高まる。
女性の体質が変化してくる30代後半。健やかに年を重ねていくために、自分の体を知って、ケアを心がけていこう。
(北東由宇+ノオト)