認可保育園とは?
まずは認可保育園がどのような保育施設なのかを見ていきましょう。認可外保育園を希望している場合でも、認可保育園との違いを把握しておくことで、子どもと自分にとってより最適な保育環境を選ぶ基準を得ることができます。
国の基準を満たし都道府県などが認可
保育園のなかでも、児童福祉法に基づく国の基準「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」を満たし、都道府県などから認可を受けている保育施設を「認可保育園」と呼びます。
入所できる対象者は0歳から小学校入学前の乳幼児となっています。施設内には乳児室や保育室、屋外遊技場などが必要とされます。
国の基準は、保育士の配置人数や施設の面積、施設設備など多岐にわたります。
たとえば、保育士の配置は、乳児おおむね3人につき1人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児おおむね6人につき1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児おおむね20人につき1人以上、満4歳以上の幼児おおむね30人につき1人以上とされます。
国や自治体から補助金が交付される
認可保育園は国の基準を満たす施設なので、都道府県の審査を通過できれば公立、私立を問わず国や自治体から補助金が給付されます。
園側とすれば、補助金が交付されるきことで、安定した運営が可能になります。ただし、補助金の使い方は細かく定められており、園の経営者が補助金の用途を勝手に変更することはできません。
毎年4月段階の園児数や年齢に応じて給付額は決定されますが、0歳の園児であれば1人当たり20万円以上が給付されるケースが大半で、年齢が高くなるにつれて単価は低くなります。
保育料について
認可保育園では所得額や子どもの月齢などによって保育料が異なります。一般的に保育料は3万5000~5万5000円が相場です。行政からの補助金があることで、比較的リーズナブルに設定されてきました。
しかし、2019年10月から始まった幼児教育無償化により、保育料の負担がほとんどなくなりました。例外は0~2歳児で、住民税非課税世帯のみ無償化となります。それ以外の子どもは、3歳を迎え年少クラスに進級してからの免除となるので注意が必要です。
認可外保育園とは?
認可外保育園は認可されていないから不安だと思い込んでいませんか?実は基準が異なるだけで、しっかりと公的に認められている保育施設です。それではどんな特徴があるのか確認していきましょう。
設けられている基準が緩やかな保育施設
国では施設設備や施設の面積、保育士の人数などの基準を定めていますが、条件を満たしていない保育園は認可外保育園となります。他にも、無認可保育園や認可外保育施設と呼ばれる場合もあるようです。また、認証保育所と呼ばれる施設は東京都独自の制度で、こちらも認可外保育園と同様の扱いとなります。
認可外だと不安に感じる人もいるでしょう。しかし、認可保育園に比べると緩やかではあるものの、認可外保育園にも設置基準は設けられています。
この基準は各都道府県で定めているものです。条件を満たせば知事の認可を受けられ、認可外保育園と名乗ることが可能になります。
認可保育所と認証保育所の違い|「認証保育所制度について」|福ナビ
認可外でも補助金が出る場合も
国の基準を満たしていない保育施設なので、基本的に補助金は出ません。そのため、園の運営費用は保護者が納める保育料でまかなわれています。
ただし、自治体によっては独自の基準を設け、クリアした認可外保育園には補助金制度を適用していることもあります。補助金を受けている園では、比較的安定した運営が可能なので保護者も安心できるでしょう。
保育料について
認可外保育園の保育料は高めになっています。世帯年収や子どもの月齢で保育料が決まる認可保育園とは違い、認可外保育園では園が決めた金額を納めるからです。
大体、月額は5万~7万円と言われています。こちらも幼児教育無償化が始まり、認可外保育園の保育料の補助が受けられるようになりました。
しかし、認可保育園を希望しても待機児童が多く入園できなかったり、仕事の都合で園の規定を守るのが難しかったりすることも少なくありません。そのため、認可外保育園の需要度は高くなっています。
保育施設を選ぶ際のポイント
保育園にも種類があるため、結局どの保育園がいいのかわからず困ってしまいます。そこで、保育施設を選ぶときに着目したいポイントを2点紹介します。
園によって異なる教育方針
保育園ごとに教育方針や保育内容は異なります。保護者のニーズや希望するサービスを取り入れている園や、子どもの教育に特化した園などがあるので、家庭での教育方針と照らし合わせてみるのがいいでしょう。
敷地面積が狭く、園庭が確保できない保育園もあります。その場合、近くの公園に散歩がてら遊びに行くこともあれば、室内だけで保育することもあるでしょう。
また、英語やパソコンの授業を取り入れていたり、工作や音楽に特化したプログラムを展開してたりするケースもあります。
子どもは様々な体験から成長していきます。毎日をどのように過ごすことになるのか、事前に保育内容をチェックしておくことが大切です。
保育園の規模と保育時間
保育園によって乳幼児の受け入れ人数が異なり、募集人数が少ないところだと競争率が激しく入園できない可能性もあります。保育士の人数や施設の面積、設備などもバラバラなので、あらかじめ確認しておきたいポイントのひとつです。
また、保育時間も重要です。保護者の通勤時間に合っているかどうかや、万が一残業になったときにどのような対応が期待できるのかも把握しておきましょう。
保育園以外で子どもを預けるには?
子どもの預け先は保育園だけではありません。どうしても希望する条件に合う保育園が見つからない場合には、他の選択肢を選ぶのも手です。どんな保育施設が利用できるのかチェックしてみましょう。
幼稚園で預かり保育を活用
「幼稚園」は学校教育法に基づく保育施設です。児童福祉法に基づく保育園とは違い教育を受ける場となっています。しかし、保育時間前や終了後でも子どもを預かってくれる預かり保育を実施している幼稚園も増えてきました。
早朝の出勤や遅い帰宅時間でも対応してくれるため、共働き世帯やひとり親家庭からの需要が高くなっています。幼稚園ならではの教育を受けながら、保育園のようなサービスが受けられるのは嬉しいですよね。
ただし、保育園よりも親の参加が必要な行事が多かったり、平日のイベントがあったりする幼稚園もあります。仕事の都合で参加できない場合には、代わりに参加してくれる人を探す必要があるので注意が必要です。
認定こども園という選択も
幼稚園と保育園を合わせたような保育施設が「認定こども園」です。保護者の勤務状況にかかわらず入園できます。地域の特性を生かした保育施設なので、園によって特色は様々です。
幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型といったタイプがあります。希望する認定こども園がどのタイプにあたるのか調べておくといいでしょう。なかには平日の行事や親の集まりがあるケースもあるので確認が必要です。
まとめ
いざ子どもを預けようとしたとき、「預け先の選択肢が多くて迷ってしまう」というママパパは少なくありません。保育園では認可か認可外かで特徴が異なり、余計に頭を悩ませてしまうでしょう。
大切なのは、自分の世帯で理想とする保育園がどのようなところなのか具体的にイメージすることです。保育内容や教育方針、保育時間など様々な点で比較してみましょう。
安心して子どもを任せられる保育園を見つけるために、参考にしてみてください。