イヤイヤ期は大事な成長過程
多くのママが「できれば早く過ぎ去って欲しい…」と願うイヤイヤ期は、子どもが自己主張を始める大切な成長過程です。
「しっかり自分の気持ちをママにぶつけている」と考えて、コミュニケーションの一環とポジティブにとらえるのがこの時期を乗り切るコツでしょう。
1歳半ごろから3歳くらいまで続く
イヤイヤ期はある日突然やってきます。「そろそろ、ご飯を食べようか」と言っても「嫌」と返され、「お出かけしようか」と言っても「嫌」となると、何もできません。
場合によっては、何が嫌なのかさっぱりわからないこともありえます。親だけでなく、子どもも「これは嫌だけど解決方法はわからない」というのがイヤイヤ期の特徴です。個人差がありますが、イヤイヤ期は1~2年ほど続きます。
考えただけで憂うつになるかもしれませんが、自分の好みや独自の解決方法がわかってくると自然に治まる現象です。どんなときにイヤイヤモードが発動するのか、パターンがわかれば予防策も立てられます。
イヤイヤ期の子どもに効果的な声かけ
イヤイヤ期には、ママを困らせるだけでなく友だちともうまく遊べなくなる子もいます。トラブルが起きたときは、まず「嫌な気持ち」を理解してあげましょう。
自分の欲求のままに「嫌だ!」と言えるのは、短い期間です。してはいけないことの判断がつくまで、成長を待ちましょう。
気持ちを理解していることを伝える
イヤイヤが止まらない子どもは、気持ちがうまく伝わらないことに焦ってかんしゃくを起こします。「どうしてこんなに嫌なのにわかってくれないの?」と、ママに訴えているのです。
SOSを出している子どもに対して、理由がわからないまま叱りつけるとますますコミュニケーションが成立しなくなります。幼い子どもの気持ちに気づくのは難しいですが、できるだけ子どもの気持ちを否定しないよう気をつけましょう。
急に怒りだしてイヤイヤが始まったときは、何が嫌なのかを見極めます。お出かけ中に雨が降っているなら、体が濡れたのが不快で怒りだした可能性もあるでしょう。慣れない長靴でうまく歩けないことが原因かもしれません。
仮に問題解決がすぐにできないとしても、ママが「○○が嫌なんだね」と理解を示してくれるだけで子どもは落ち着いてきます。
友だちとうまく遊べないときは?
小さいうちは「大好きな友だちと一緒に遊びたい」という気持ちと「自分がおもちゃを独り占めしたい」という気持ちの間で揺れています。
友だちが楽しそうなおもちゃで遊んでいると、つい手がのびてしまうこともあるでしょう。子どもにとっては使いたいおもちゃに手をのばしただけで、悪いことをしている意識はありません。
「それはだめ!」と急に怒られると、子どもはママに否定されたような気持ちになります。いったん「おもちゃで遊びたかったんだね」と受け入れてから「でも、友だちもおもちゃがなくなると悲しいよ」と説明して理解してもらいましょう。
「自分のものは自由に使っても構わないけれど、ほかの人のものを勝手にとることはよくない」と覚えることが大切です。
毎日しなきゃいけないことを楽しみに変えよう
毎日の忙しいローテーションのなかで、事あるごとに子どもがぐずってしまうとママも疲れてしまいます。完ぺきにこなそうと考えず、子どもに合わせてゆっくりひと息つくのも大切です。
歯磨きを嫌がるときはやる気を後押し
「子どもは歯磨きを嫌がる」というのは、多くのママが実感している子育てあるあるです。特に2〜3歳の子どもは、なぜ歯磨きをしなければならないのかがいまいちよくわかりません。
虫歯と歯磨きの関連性も、なかなか理解できないでしょう。「歯磨きタイムが始まると泣きわめく」といった負のスパイラルを断ち切るには、本人が前向きに取り組む気持ちを引き出すしかありません。
たとえば「○○はかしこいから歯磨きも自分でできるよね」と、やる気を引き出すためにほめるのがおすすめです。磨き方やブラシの持ち方など、本や動画を使って説明するのも理屈は理解しきれずとも納得にはつながります。
子どもが好きな甘い歯磨き粉を準備して「歯磨きが楽しみ」と思ってもらうようにするのも効果的です。
お風呂は水遊びOKとする
お風呂に入ったときは「きちんと湯船につかって体や頭を洗う」と決めると、子どもはやる気をそがれます。特にお風呂のなかで苦手なことがあれば、余計にお風呂が嫌いになってしまうかもしれません。
きちんと洗う・温まるといった目的はいったん置いておいて、子どもが好きな水遊びに切り替えるのもおすすめです。お風呂は嫌いでも「プールだよ」と言えば納得してくれることもあります。
水鉄砲やおもちゃを持ち込んで、遊びの一環にしてしまうのも嫌な気持ちを起こさせない方法です。「お風呂ではお気に入りのあひるさんと遊べる」など、お風呂タイムを楽しむアイテムを用意してみましょう。
一緒に料理を楽しもう
「ご飯を食べるのを嫌がる…」などのときは、イベントのようにして料理作りを手伝ってもらうのも有効です。
サラダ作りや生地をかき混ぜるなど、簡単にできることを手伝ってもらいましょう。失敗しにくい簡単な作業が向いています。
達成感を与えることが、次回以降の「これならできる」という自信につながります。さらに「自分で作ったご飯」となると、食べようという気持ちも芽生えるものです。
「お手伝いをさせるのはまだ早い」と考えるなら、手巻き寿司や具をトッピングできるちらし寿司など「楽しみながら自分で選べる料理」もよいでしょう。作る楽しさや選ぶ楽しさで、普段より機嫌よく食が進みます。
シーン別のぐずり対策
子どもがどこで気持ちを爆発させるかによって、適切な対応は異なります。状況によっては、子どもの思いを素直に受け入れる方が解決が早くなるでしょう。
お店で駄々をこねるときは主張を認める
スーパーなどで、子どもが動かなくなってしまう問題はママにとって大きな悩みです。場合によっては商品を持ったまま「何としても離さない!」と意地になります。
「買ってもらえるまで帰らない」と駄々をこねるときは、気持ちの部分だけでもママが折れましょう。子どもが欲しがっているものを買うかどうかは別の話です。
「○○はこれがそんなに欲しいんだね」と受け入れたうえで、買えないことを説明します。「絶対にだめ!」と怒るより、ひとまず認めた方が話を聞いてくれる可能性が高まります。
長距離移動に活躍するアイテム
飛行機やバスなど長時間利用する乗り物では、イヤイヤ期の子どもがいると大変です。泣き出すと、周囲の人にも迷惑がかかります。
できるだけトラブルなく子どもと楽しく過ごすには、事前の準備が大切です。飛行機なら、ビデオやゲームなど機内にも様々な遊びが用意されています。地上でアプリなどをダウンロードしておくのもよいアイデアです。
スマホの充電が続いている間は、子どもがゲームで遊んでくれます。年齢に応じた楽しめるアプリを探しておきましょう。
また、貼ってはがせるシールブックなどを持ち込むのもおすすめです。「バスや電車では特別に新しいシールブックで遊べる」という習慣をつくれば、子どもも乗り物に楽しいイメージを持ってくれるでしょう。
このころの子どもにぴったりな絵本
ママのいうことを聞いてくれないイヤイヤ期には、絵本が役立ちます。「ママではなくて絵本の登場人物が言っている」となれば、子どものイヤイヤ発動も少なくなるでしょう。
一生懸命なくまさん『どうすればいいのかな?』
お出かけをしようとするくまさんが「どうやって服を着ればよいの?」と悩みながら解決するお話です。2〜3歳のイヤイヤ期には「服を着たくない!」と嫌がる子どもが増えてきます。
くまさんが服を着る様子を真似して、楽しく着替えてくれればママも安心です。絵本では、服の着方がわからないくまさんの様子が描かれています。
「○○はちゃんと着られるよね?」と促せば、自信満々に着替えを見せてくれるのではないでしょうか?楽しい絵本を読むと、イヤイヤが爆発する前にストレス発散ができます。
両親の優しさがあたたかい ピッツァぼうや
雨のせいで遊びに行けなくなり機嫌を損ねてしまった男の子・ピートが、ピッツァになるという一見突拍子もないお話です。
実際はピートのパパがピザ職人の真似をして、生地をこねたり空中で1回転させたりと男の子をピッツァに見立てた遊びが始まります。
読んでもらった子どもが「ぼくもピッツァになりたい!」と感じるような面白さです。自宅で真似をして、ピッツァごっこを楽しめます。ストーリーの楽しさから、嫌な雨の日も楽しい1日に変わるでしょう。
まとめ
イヤイヤ期は、誰もが通る道です。幼い子どもはどうしても、自分の欲求が満たされないことが納得いきません。ママやパパの苦労が理解できるほど、大人にはなっていない年齢です。
子どものイヤイヤを押さえつけるようなことはせず、何を伝えたいのかしっかり聞き取りましょう。ルール上、叶わないことであれば「それはできないんだよ」と少しずつ伝えていけば大丈夫です。