3人育児の現状とメリット
現在の日本は、出生率が低く子どもの割合が少ない「少子化社会」です。3人以上の子どもを育ている家庭が減りつつありますが、様々な補助金や支援対策が設けられています。
多くの子どもを育てることは大変ですが、メリットを生かして無理のない子育てを行いましょう。
子どもが3人以上の世帯の割合
「厚生労働省」が発表した「国民生活基礎調査の概況(2016年)」によると、3人以上の子どもを育てている世帯の割合は約13%です。
1人の子どもを育てている世帯は約46%、2人の子どもを育てている世帯は約40%であることと比べると、3人以上の世帯は少数であることがわかります。
真ん中っ子というと、3人きょうだいの真ん中をイメージする人も多いことでしょう。しかし、4人きょうだいや5人きょうだいなど3人以上のきょうだいにも真ん中っ子が存在します。
育てる子どもが増えれば増えるほど、幸せや苦労も増えていくものです。子どもたちに平等な愛を与えてあげるためにも、子どもが多いからこその育て方や特徴を知っておきましょう。
第3子の補助金が充実
中学校卒業までの子どもを育てている家庭には、国から補助金として「児童手当」が支給されます。一定の所得以下の家庭で、3歳未満は「1万5000円」、3歳~中学校卒業までは「1万円」が支給される仕組みです。
ただし、3人目以降の場合は、小学校卒業まで「1万5000円」を受け取れます。中学校の3年間は「1万円」です。
幼稚園・保育園・認定こども園の保育料についても、複数人の子どもが同時に通っている場合は助成があります。市区町村による「認定区分」ごとに、条件が若干異なる点が特徴です。
「1号認定」の幼稚園は「小学校3年生」まで、「2・3号認定」の保育園では「小学校就学前まで」を1人目として、2人目の保育料が半額・3人目以降の保育料が無料になります。
とくに0歳~2歳クラスは保育料無償化の対象外のため、多子世帯の負担軽減措置は家計を助けてくれるでしょう。
上の子2人が協力してくれる
1人目のときは初めての子育てであたふたし、2人目のときは育児に慣れても上の子が小さいうちは構ってほしくて育児に集中できないこともあるでしょう。
3人目ともなると、上のきょうだいがある程度成長していることで育児に集中できます。2人目以降のきょうだいは、お手本となる兄や姉を見て食事の仕方や着替えなどを覚えてくれることもうれしいポイントです。
成長してからは上のきょうだいが面倒を見てくれたり、遊んでくれたりと育児に協力してくれることもあるでしょう。
「お風呂掃除を手伝ってほしいな」「電気つけてもらってもよい?」と、ちょっとしたお手伝いを頼めることでママの負担が減ります。
真ん中っ子の特徴
ほかのきょうだいに挟まれて育つ真ん中っ子は、上の子・下の子どちらも経験するポジションです。すべての子がそうとは限りませんが、真ん中っ子ならではの性格や特徴があります。
真ん中っ子のよくある特徴を知って「自分の子どもはこう考えているのかもしれない」「ここは気をつけたほうがよいな」と子育てに生かしてみましょう。
間に挟まれるから苦労しやすいといわれる
真ん中っ子は、生まれたときには下の子が存在しない「末っ子」です。蝶よ花よとかわいがられて過ごしますが、下の子が産まれると「上の子」として扱われるようになります。
上の子といるときは下の子として扱われ、下の子といるときは上の子としてのふるまいを求められることで苦労しやすいポジションです。上と下の子の間に挟まれるため、きょうだいのなかの「中間管理職」の役割を担うこともあります。
ときには、ほかのきょうだいのわがままを受け入れたり、ケンカの仲裁をしたりすることもあるでしょう。人間関係を生き抜く器用さを身につけられる一方で、自分の意見を我慢して八方美人になってしまうこともあります。
愛想よくしてアピールする
真ん中っ子は「下の子がぐずっているときにわがままをいうと、親に迷惑がかかってしまう」と、早い段階で理解するようになります。本当は構ってほしくても「自分のことは大丈夫だから」と、親のことを考えて我慢しがちです。
常に、ニコニコと機嫌がよいように見せて、面倒がかからない子であることをアピールし「ママからほめられたい」と考えています。
放置し続けると自分の気持ちを封じ込める子どもに育ってしまうこともあるため、1対1で話を聞くなど、時間をとってあげることが大切です。
注目されるためにいたずらをする子もいる
下の子が産まれると、ママの意識は下の子に向きがちです。真ん中っ子は自分の存在感が薄くなったように感じてしまい、注目を集めようと「いたずら」をする子もいます。
真ん中っ子自身も下の子を大切に思う気持ちを持っていますが、同時にママを奪われたように感じてしまうこともあるのです。
いたずらすることはよいことではありませんが、その裏には「愛されたい」という寂しさが隠れていることを忘れないようにしましょう。
頭ごなしに叱ってしまうと、寂しい気持ちを強めてしまいます。「どうしてこうしたの?」など、コミュニケーションのなかから真ん中っ子の本心を引き出してあげることが重要です。
男女で違う3人きょうだいの傾向
同じ3人きょうだいでも、男女の組み合わせで「きょうだい同士の関係」が違う傾向があります。間に挟まれる真ん中っ子の性格に注目しつつも、男女で違う3人きょうだいの傾向をチェックしましょう。
男男女の場合は上の子2人がライバルに
男男女きょうだいは、上の子2人がライバル関係を築きがちです。悪だくみをしたり共通の楽しみがあったりすると仲良くしているものの、ちょっとしたことでケンカを繰り広げることも珍しくありません。
末っ子にあたる長女は兄たちからすると「初めての女の子きょうだい」ということもあり、しっかりと面倒を見てくれる可能性が高いでしょう。長女が生まれるころには長男はある程度成長していますが、次男はまだ小さいままの家庭もあるかもしれません。
長女がちやほやされることに対して、やきもちを焼くこともあります。甘えさせてあげるだけでなく、妹に優しくしたときは「流石おにいちゃんだね!」とほめてあげましょう。
同性は1番上と末っ子で仲良くなりがち
男男男や女女女などの同性きょうだいは、上の子と末っ子が仲良くなりがちです。仲がよいときは2人の世界をつくり、真ん中っ子が寂しい思いをすることもあるでしょう。反対に仲が悪いときは、真ん中っ子を取り込もうとすることもあります。
真ん中っ子は持ち前の容量のよさとコミュニケーション能力の高さで、上手く対応するかもしれません。しかし、ほかのきょうだい同士が仲良くしていることに孤独感を感じやすいため、ママが上手にフォローしてあげることが大切です。
きょうだい3人で仲良くできる遊びやアイデアを出すほか、真ん中っ子がぽつんと1人で過ごしているときはママが話を聞いたり遊んであげたりしましょう。
真ん中っ子の育て方は?
真ん中っ子は、世渡り上手で空気が読めるため、表面的には寂しくないように見せてくることもあるでしょう。
しかし、真ん中っ子は、人一倍寂しさを感じやすいことを理解しておく必要があります。表面上のふるまいや表情から判断するのではなく、心の奥底をしっかり見てあげましょう。
たっぷりと愛情をかけるのが大切
ママは平等に愛してるつもりでも、真ん中っ子は「ほかのきょうだいばかり」と寂しさや嫉妬の気持ちを抱くことが多めです。気持ちを上手く表現できず、黙って我慢してしまうこともあります。
愛情不足を感じやすいからこそ、たっぷりと愛情をかけることが大切です。ときには真ん中っ子がママを独り占めできる日をつくり、一緒にやりたいことを叶えてあげましょう。
しっかり見ていることを伝えてあげることも重要です。些細なことでもほめてあげたり、下の子の面倒を見たら「いつも助かっているよ!」と感謝の気持ちを伝えたりと、言葉で愛情を表現してあげましょう。
親に都合のよい言葉で叱らない
「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなのに」など「生まれる順番」を持ち出して叱ってしまうと、子どもに深い心の傷を与えてしまうこともあります。
「ほかのきょうだいと比較する」ような叱り方も避けましょう。たとえ言葉にしていなくとも「できない子」と烙印を押されたように感じてしまい、自信を失ってしまいます。
親の都合のよい言葉を持ち出すことは、原因の改善になりません。叱るときは、なにが悪かったのか・どうすればよいのかの2点を具体的に示しましょう。
きょうだいの話を持ち出すときは、真似したらよいところをほめながら教えてあげるのがおすすめです。ほかのきょうだいのよさを実感し、尊敬しあえる関係を築けます。
真ん中っ子の我慢を理解してあげる
真ん中っ子は、成長していく上の子と甘えたい盛りの下の子に挟まれて育ちます。上の子ほど頼られず、下の子ほど甘えられるわけでもないことで我慢しがちです。
生まれたときは上の子がおり、下の子が産まれると早々に独り立ちすることが求められ、親の愛情を独り占めできません。「常に自分は我慢している」という感情を抱きやすいことを理解してあげましょう。
また、ほかのきょうだいと写っている写真ばかりで、1人で写っている写真がないこともしばしばです。成長したときのことを考えて、真ん中っ子だけが写っている写真を意識的に撮ってあげましょう。
まとめ
ほかのきょうだいに挟まれて育つ真ん中っ子は、寂しい思いをすることが多くなりがちです。我慢をしてしまうことも多いため、注意して気にかけてあげましょう。
ときには、じっくりと向き合う時間をつくります。ほかのきょうだいと一緒に遊んだりハグしてあげたりと「みんなを平等に愛している」点を伝えてあげることも大切です。