育休中に保育園を利用できる?育休退園を回避する方法について

第40回 みんなが共感!ママのお悩み
育児休業中に、「上の子どもが保育園を利用できるかどうか」を心配している保護者は少なくありません。実際、育休退園を余儀なくされている家庭もあります。育休中に保育園を利用できるのはどのような場合か、また育休退園を回避する方法を見ていきましょう。

育休中は保育園に入れる?

第2子以降が産まれて育児休業を取得する場合、先に産まれた子が継続して保育園を利用できるかどうか、心配している保護者は多いでしょう。

基本的に保育園は、「保育が必要と判断された子ども」しか利用することはできません。下の子どもの育休中でも、上の子どもが保育園に通い続けることはできるのでしょうか?

原則的には可能

育休中の場合であっても、原則、上の子どもを保育園に通わせることは可能です。ただし、保育園を利用する際は「保育を必要とする理由」に該当しなければなりません。

2015年から導入された「子ども・子育て支援新制度」で内閣府が示した指針によれば、「保育を必要とする理由」は、就労のほか、保護者の疾病・障害、妊娠・出産、災害復旧、同居親族の介護、就学・求職活動などが当てはまります。

つまり、第2子以降を出産して育休を取得している場合でも「保育を必要とする理由」に該当すれば、保育園の継続利用ができるのです。

保育の必要性の認定について|内閣府

市町村によっては制限がある場合も

ただし、保育園を利用できるかどうかの最終判断を担っているのは、住んでいる市町村です。

内閣府が示している「保育を必要とする理由」のなかには「市町村が客観的基準に基づき認定する」という記述が含まれています。

そのため、一概に「育休中でも保育園が利用できる」とは言い切れないのです。

埼玉県所沢市のように「利用継続できる事由に該当する場合を除き、原則、出産月の翌々月末で一旦退園」と明示している市町村も複数あります。

産休や育休を取得する場合は、あらかじめ居住している市町村の対応を確認しておくことが大切です。

育児休業中の保育について 所沢市ホームページ

なぜ退園の可能性があるの?

なぜ、育休中に上の子どもを一時退園させなければならないのか、疑問に思う人も多いでしょう。

理由を端的にいえば「育休中は、保護者が家庭にいるのだから、保育の必要性は乏しい」というのが行政側のスタンスだからです。

この背景には待機児童の問題があります。

保育の必要性がありながら、定員オーバーにより保育園に入れない子どもがいる一方で、保護者が保育できる環境にありながら、保育園を利用している世帯があるというのは、施設の公正利用に反するという考えです。

待機児童問題は、政府も改革に乗り出して受け皿づくりを進めていますが、2018年10月現在でも全国の待機児童数は4万7198人と高止まりが続いているのが現状です。

平成30年10月時点の保育所等の待機児童数の状況について|厚生労働省

育休中でも継続できる条件

たとえ育休中であっても「客観的に認められる保育所利用の必要性」を満たすことができれば、継続して保育園の利用が可能です。

条件の内容を具体的に見ていきましょう。

子どもの発達上の問題

子どもの発達上、問題が生じる場合には、保育園を継続して利用できる場合があります。

たとえば、生活リズムが大きく変わってしまう、友だちとの関係が大きく変化してしまうなど、環境の変化によって発育に悪影響を及ぼす可能性が考えられるケースです。

最終的には、保護者からの申請に基づき、市町村が認定の可否を判断することになりますが、これらの事由は内閣府の対応方針にも挙げられています。

「保育を必要とする理由」は自己判断せず、市町村の担当窓口に相談してみるとよいでしょう。

保育の必要性の認定について|内閣府

母親の健康的な問題

母親の健康的な問題で、第2子以降とそれ以前に産まれた子の同時育児が難しい場合には、継続して保育園を利用できる場合があります。

母親が元々障害や疾病を抱えている、第2子以降の出産後に体調が悪化した、という場合などが挙げられます。

上記のようなケースは、診断書の提出などで、保育を必要とする理由が客観的に証明できるため、保育園の継続利用が認められる可能性は高いでしょう。

退園で社会復帰が難しくなる

一時退園を行うことで、社会復帰が難しいと判断される場合にも保育園の利用を継続できるケースがあります。

一時退園を行った後、再度、保育園に入園できるかどうかは確実ではないからです。

今通っている保育園に、再び子どもを預けられる確証がない場合、職場に戻れない人もいるでしょう。そのようなケースでは、保育園を継続的に利用することを許可される場合があります。

ほかにも、両親の介護をしている場合や災害復旧などの理由で保育園を継続利用できる可能性があるため、やはり各市町村に確認するようにしましょう。

継続利用をする際の注意点

第2子以降の育休取得後、保育園を継続利用する場合にはいくつかの注意点があります。利用前に確認しておきましょう。

育休中の保育継続には申請が必要

育休取得後、継続して保育園を利用する場合には市町村へ申請が必要です。各市町村が用意している「育児休業取得時の保育の継続に関する書類」に必要事項を記載しましょう。

様式は市町村ごとに異なりますが、利用保育園名・育児休業取得期間・復帰予定日・保育園継続希望理由などを記載します。保育園継続希望理由に関しては、正直な理由を申し出ましょう。

ただし、先ほど記載した条件に満たすような「客観的に保育を必要とする理由」が記載されていなければ、市町村に保育園の継続利用を認めてもらえないケースもあります。

前の章で記載した条件をもとに、保育園継続希望理由を記載するようにしましょう。

お迎えの時間が変更になる可能性がある

育休中の保育園継続利用が認められた場合、お迎えの時間が変更になることがあります。

お迎えの時間は、市町村によって異なるため、事前の確認が必要ですが、条件によっては、お迎え時間が午後3時や午後4時半となる例もあります。

上記のような取り組みは、「保育短時間」といい、1カ月120時間未満の就労をしている保護者に適用され、最大利用可能時間は1日8時間です。

ここで指す就労時間とは、保護者の就労時間うち短い方で認定され、休憩時間は含みません。また、保育短時間に関する細かい運用ルールは市町村によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

子ども・子育て支援新制度について 内閣府子ども・子育て本部

上の子の保育「産休中」はどうなる?

ここまで、第2子以降の「育休中」の保育園利用に関する情報を確認してきましたが、「産休中」はどうなるのか気になる人も多いでしょう。

最後に、第2子以降の産休中に、上の子どもが保育園を利用できるのかどうか見ていきます。

多くのママは変わらず預ける

内閣府の「子ども・子育て支援新制度」によれば、「妊娠・出産」は「保育を必要とする理由」として明示されています。そのため、産休中も変わらず保育園を利用することが可能です。

実際、ほとんどの保護者は継続して子どもを保育園に預けていますが、適用条件と運用ルールは市町村の判断に委ねられています。

条件によっては、産休の場合であっても預かり時間が短い「保育短時間」への切り替えを求められるケースも想定されるため、事前に市町村に確認しておくのが安心です。

よくわかる「子ども・子育て支援新制度」|内閣府

休ませる、退園させる人も

産休取得時、上の子どもを休園または退園させる保護者もいます。里帰り出産を行う場合、子どもを保育園に預けることが困難になるからです。

また、第2子以降が産まれるまでの時間を、上の子どもとゆっくり過ごしたいという保護者も少なくありません。

しかし、退園してしまうと、職場復帰や保育園探しが難しくなってしまう場合もあります。待機児童問題が深刻な地域では「一度やめてしまうと大変だ」と考える保護者も多いようです。

育児や仕事のバランスを考えて、どうすべきか慎重に判断するようにしましょう。

まとめ

育休中に、保育園を利用できるかどうかは各市町村によって対応が異なります。

市町村の判断次第では一時退園をしなければいけない場合もあるため、しっかりと確認しておきましょう。