やめさせたい理由は何でしょう
指しゃぶりについて、どうしてやめさせたいの?と、まず問いたいです。理由はいろいろあるでしょう。でもそれは、どこかで読んだり、誰かにいわれた言葉ではありませんか。あなた自身はどう思っているのでしょう。どうしてやめさせたいのでしょう。赤ちゃんが自発的に始めることに、いけないことがあるのでしょうか。また、赤ちゃんの頃は指しゃぶりを始めたと喜んでいたはずなのに、幼児になるとやめさせたくなったのは、いったいどうしてでしょう。まず、自分に聞いてみてください。
「わが家の方針」を作りませんか
誰かの意見を参考にするのはいいことです。
でも、その誰かはあなたではありません。他人の意見に惑わされていませんか。いろんな人がいろんな意見を様々な立場からいいます。周囲の意見を鵜呑みにするのでなく、本当に自分がその意見に賛同しているのか、迷う前にまず自分に確認してみてください。指しゃぶりに限らず、“母乳かミルク”かの話や“断乳か卒乳”かの話も同様、いろいろな考えがあります。諸説あるなかで、正解なんて誰にもわからないのです。だって答えはひとつではないのですから。そこにあるのは「何を選ぶか」ということだけ。誰かの意見に流されることなく、「わが家ではどうしたいか」を見つけてほしいと願っています。とはいえ、はじめから「わが家の方針」が決まっている家などそうありませんよね。家族で意見が分かれるなら「わたしはどうしたいか」を見つけることが大切です。わからないからこそ、誰かの意見に流されてしまいがちです。でも、迷ったらその都度、考えてみてください。誰かの意見に「賛成だからそうしたい」のか、「理解できるけれどそうはしたくない」のか。「本当はしたくないけれど、ここは従う」のか。「考えて、選ぶ」という行為の連続が、誰かの言いなりではない「わが家の方針」を作ります。
赤ちゃんは本能に忠実に生きている
本題に戻ります。指しゃぶりはいけないのでしょうか。「歯並びが悪くなるからいけないらしい」「精神が安定するから、必要らしい」と、様々な意見が聞こえてきそうですね。わたしの個人的な見解としては、「しゃぶらせてあげてもいいのではないか」と思っています。なぜなら、赤ちゃんの行動は、本能の欲求のままにあるからです。本能に忠実な赤ちゃんは、自然と今の自分に必要な行動をとります。だったら指もしゃぶらせてあげてもいいのではないでしょうか。子どもの行動を親の方針で「奪う」のではなく「満たす」という発想の転換にヒントがあると感じています。次回は「口と心はつながっている」というタイトルで、もう少し踏み込んでいきたいと思います。