娘が指しゃぶりをしていたときには……
わたしには9歳の娘がいますが、彼女が7歳のとき、指しゃぶりしていたことがあります。娘が指しゃぶりをするのは、怒られたときだけ。でも、わたしからしてみれば、それはチャンス!!なのです。 だって、「ここ、さわりたいポイントです」と、身をもって教えてくれているんですもの。そりゃ、さわりますよ。口に指を入れることで、心が満たされるかもしれない。指しゃぶりの背景にあるものを解決する近道になるかもしれない。そして何よりも、子どもは正直。ここが治すポイントだってことを無意識のうちに知っているのです。だからわたしは、娘が指をくわえていたら、一緒に自分の指も突っ込んで、口の中をさわりまくっていました。
口を満たせば心も満たされる
指しゃぶりの原因はさまざま。赤ちゃんが自分の指を発見したときにもしゃぶるし、生えかけの歯がかゆいときにもしゃぶります。夏風邪をひいているときに、しゃぶることも。そして、心のサインが指しゃぶりとなって現れることもあります。これを矢印で表すと「心→体」。この矢印の向きは逆にすることもできます。すると「体→心」となりますね。
実はこの矢印の通り、体から心、つまり口を満たせば心が満たされることがあるのです。もしかしたら、指しゃぶりの原因が奥深いところにある場合もあるかも知れません。そうだとしても、とりあえず口を満たしてからゆっくり探すことができるといいですね。
無理やりやめさせたその先には……
「何かを後回しにするとまた後で同じ課題がやってくる」という経験はありませんか。指しゃぶりもまさにそう。無理やりやめさせても、その行動の根底にあるものを解決しないと、また形を変えて違う行動が現れたりするものです。どうしてもやめさせたいのなら、まずは指しゃぶりを取り上げるのでなく、その指しゃぶりをしたい気持ちに寄り添い、満たしてあげること。ほとんどの場合は、なぜ指しゃぶりをしているか理由なんてわかりません。
原因探しは疲れます。だからこそ、そこでスキンシップが役立ちます。お子さんが指しゃぶりをしたら、一緒に口をさわってあげる。それが心を満たすお口のベビーマッサージになります。さらに背中をやさしくゆっくり撫でてあげましょう。背中も心とつながっています。口だけでは届かなかった思いに、背中からアプローチすることができるかもしれません。原因なんてわからなくていいのです。欲求は、満たされれば解消されます。たくさんさわって心が満たされた頃には、いつのまにか指しゃぶりもなくなっているかもしれませんね。