ママインターンとは、育児などで時間の制約があるママが就業までの準備期間として、キャリア講座や1日4~5時間、週3日などの働きやすい勤務形態で働ける企業でインターンを行い、就業条件の合う企業とのマッチングを行う取り組みのこと。
ママを雇用する企業側、そして利用する女性にどのようなメリットがあるのだろうか? NPO法人ArrowArrow代表理事 堀江由香里さんに聞いた。
「ママインターンに応募してくるのは、前職でつちかったキャリアがある女性たちです。企業にとって多くを採用費に割けない状況の中、スキルのある人材を求めています。企業側からすれば、パートタイムで働ける子育て中の女性とのマッチングを行い、即戦力となる人材を採用できることが利点です。また、一度離職したママにとっては、育児中でも無理のない就業形態で募集している企業で働けるメリットがあります」(堀江さん 以下同)
でも、一度仕事を離れたママからすれば、仕事のスキルが衰えているのではと不安に感じてしまうことも多い…。
「実は、ママだからこそ期待できるスキルも十分あります。たとえば、子育て中は家事との両立をどうしようか時間のやりくりを求められることが増え、家事しながら育児も同時に行ことでマルチタスク能力が高まることもあります。また、ママ友の交流では背景の違うさまざまな女性と関わりますよね。職場以外のコミュニティに身を置いたことで、それまで以上にコミュニケーション能力などが備わっていることもあります」
●ママインターンで出合えるのはどんな企業?
ただ、就業条件が限られていると、ママインターンに参加する企業は限られてくるのでは?
「たとえばArrowArrowの場合は参加企業が地域に特化しているのが特徴です。そのエリア内で、老舗メーカーや卸し業を行う企業、デザイン会社や他店舗展開している花屋さんなど、さまざまな業種が募集しています」
ArrowArrow以外のコンサルタントを例に挙げると、ほかにも在宅勤務と組み合わせて就業できる企業への紹介や、託児ができる企業などへのマッチングを行うなどのママインターンがある。
「ママの実情に合うようにインターン先の企業を決めるので、ハローワークなどの職業紹介所に行くよりかは育児に理解のある企業と出合える可能性が高いです。その後就職しても、働きやすい環境といえるのではないでしょうか」
●仕事に就くことで、家族に還元できることも
ただ、ママインターンに参加している企業の中にも、育児中の女性を起用したことがなく、どのような形なら無理なく就業できるのかわからないということも少なくないのだとか。
「そうした状況を考慮し、私たちは育児中の女性が働きやすいよう企業側のシステム作りのサポートも行っています。仕事と育児を両立することは大変ですが、仕事を通して社会貢献して得た自信や、働く中で得た経験は子どもの教育や家族へ還元できるはずです」
復職を考えていて、仕事と育児の両立に不安がある場合は、ママインターンを通じて、働く楽しさややりがいを取り戻すことを目指してみては?
(石水典子+ノオト)