自然光なら曇り空程度の光量でもキレイに
まず、赤ちゃんの撮影でもっとも大切なことが『自然光で撮る』こと、と矢部さん。つるつるすべすべで透明感のある赤ちゃんの肌の美しさを生かして撮影するには、自然光が一番なんだとか。「自然光というと、カラッとした晴天をイメージする方も多いと思いますが、曇り空でも窓ぎわで外からの光が入る状態であれば、光量は十分。キレイに撮影をすることができますよ」(矢部さん)
では、自然光とそうでない光では、どのくらい写り方に差が出るものなのでしょうか? 比較をしてみたのが上の2枚の画像。この撮影をしたときの天気は曇り気味でしたが、自然光スマホカメラでも十分明るく撮影できているのがわかります。同じ窓ぎわという条件のなかで、部屋の照明をつけて撮影したのが左の画像、右は自然光のみで撮影したものです。左は肌色が緑がかっています。「照明の色味(ここでは白熱電球)と自然光が混ざった色味が影響して、このような黄みが出てきます。ちなみに蛍光灯の下で撮影すると、肌色は青みが出やすくなるので注意が必要です」(矢部さん)
暗い場合に明るさを調整する方法
しかし、実際には部屋の向きやレイアウトによっては、どうしても自然光が入りにくかったり、逆光になってしまう環境もあります。そんなシチュエーションのプチテクニックとして、矢部さんは「逆光や室内が暗い状態で撮影しようとすると、いくら窓際でも真っ暗になってしまうことがあります。そんなとき、iPhoneの場合は明るくしたい部分をタップしてピントを合わせていくと、自動で露出が補正されて明るくなります。タップでの露出調整ができないAndroid端末カメラの場合は、+や−で露出補正設定を手動で動かして明るさを調整することができます」と話します。機種によって、露出補正の方法は異なるので、ご自身のスマホ機能を確認してみましょう。
肌の美しさを生かした撮影をしてみよう!
矢部さんは、赤ちゃんをさらに美しく撮影するための工夫を教えてくれました。「ママが白めの服を着ると、レフ板(被写体に反射させた光を当てて明るく映すための板)代わりにもなり、光を赤ちゃんに集めやすくなります。太陽光が強い場合は、レースのカーテンなどで光を和らげてあげると良いでしょう。夕方など、やや下の方から長く入る光では、影が出やすくなるので、表情に深みを演出することもできます。赤ちゃんの肌は美しいので、ぜひその肌色や質感が生きる自然光での撮影を楽しんでくださいね」
赤ちゃんのかわいい表情は、この時期だけ見ることができるパパママへのごほうび。せっかくの笑顔のシャッターチャンス、あなたも上手に撮影して残してみませんか?
(文・今井美由紀/Neem Tree)