「いい子」に潜む危険! 将来生きづらいアダルトチルドレンの苦悩

第3回 育てやすいいい子ほど危険! アダルトチルドレンとは?
幼少期に、虐待など“機能不全家庭”で育ったことにより、大人になってもなお内心的なトラウマを持ち、生きづらさを感じ続ける人たち“アダルトチルドレン”。親に捨てられまいと、“いい子”を演じ続けてきた子どもが将来どんな苦悩を抱えてしまうのか? 『1人でできる子になる テキトー母さん流子育てのコツ』の著者・立石美津子さんにお話を伺いました。

●幼いころ、親から愛情を与えられなかった経験が他人との関係性まで影響する

「幼いころに親から愛情を与えられなかった経験が、他人との関係性にまで影響を及ぼしてしまいます。その子が“どのように育てられたか?”が、物事の考え方を築くと言っても過言ではありません」(立石さん 以下同)

アダルトチルドレンの苦悩

アダルトチルドレンは、以下のような苦悩を抱えるという。

●≪アダルトチルドレンの苦悩の例≫

・恋愛など特定の人と親密な関係が築けない
・人と親しい関係になるのがわずらわしいと考える
・他人からの評価を異常に気にする
・自分が嫌いで自己肯定感が低い
・人に頼ったり甘えることができない
・他人にSOSを出して助けを求めることができない
・自分の気持ちは抑えて、相手ばかりに合わせてしまう
・拒否されたり傷つくことに敏感
・嫌われないかといつもビクビクしている
・見知らぬ人にも近寄りすぎる

「子育てはとても大変なことです。しかし、子ども時代に家庭という“安全地帯”“絶対的安心感”がきちんと確立されることによって、“この世は安全なんだ”と体験し、つらいこと、苦しいことも乗り越えられるようになるのです。ところが、機能不全家庭のなかで育ったり、虐待を受けた子どもは、“愛着形成”がされないため、不安感いっぱいなのです。人を信用することが難しくなる人もいます。子どもは親の存在なしに生きていけないため“おとなしくいい子”を必死に演じますが、将来はこのような大人になることもあるのです」

虐待は、身体的、性的、育児放棄だけでなく、どんな家庭でも起こりうる“言葉の暴力”という心理的虐待もあるから他人事ではないという。

「知らず知らずのうちに言葉の暴力がわが子を追い詰めてしまうケースは実はとても多いのです。幼少期は、人生のスタートとなる大事な時期。子どもが子どもらしく生きてもいいように、ありのままを受け入れてやる“安全地帯”を与えていきましょう」

将来、わが子が自尊感情や自己肯定感を持って自分らしく生きていけるように、親として導いてあげたいですね。
(構成・文/横田裕美子)

お話を伺った人

立石 美津子
立石 美津子
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。
子育て本作家・講演家。著書は『一人でできる子が育つ テキトーかあさんのすすめ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『はずれ先生にあたったとき読む本』『1人でできる子になるテキトー母さん流子育てのコツ』『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方 』など。