「口腔がん」を発症すると口のどこに「痛み」を感じる?医師が徹底解説!

「口腔がん」を発症すると口のどこに「痛み」を感じる?医師が徹底解説!

口腔がんの主な原因

生活習慣

がんは生活習慣病の一つなので、口腔がんも悪い生活習慣が原因の一つになります。
喫煙や過度の飲酒などが、がんを引き起こす生活習慣となります。
悪い生活習慣はがんだけでなく、脳疾患や心疾患の原因にもなるので、なるべく健康的な生活を送るようにしましょう。

口腔内の物理的刺激

不適合補綴物(銀歯、入れ歯を含む)が口腔内にあると慢性的に口腔内の一定の場所に刺激を与えます。これが、がんの要因になることがあります。
このため、口腔内に不適合補綴物があり、痛みや違和感を感じる場合は、すぐに治療が必要になるので、早めの歯科受診をお勧めします。

口腔内の不衛生

口腔内の不衛生も口腔がんにつながるため、口腔内も清潔に保っておかなければなりません。ご自身での清掃が大切ですが、自信がない場合は、定期的に歯科医院に行って、歯石除去などの口腔清掃に定期的に歯科医院に来院するのもおすすめです。

口腔がんの治療法

口腔がんの治療法は大きく分けて手術を伴う外科的療法、放射線療法、抗がん剤を用いた化学療法の3つです。
症状、年齢、患者さんの基礎疾患など様々な要素を考慮し、適した治療法を決めていきます。また、1つの治療法だけでなく、複数の治療法を組み合わせることも多いです。
また、いずれの治療も口腔外科、耳鼻咽喉科で行われます。

外科的療法

外科的療法は、手術を伴うため、入院が必要となります。最も有効で確実な治療法となります。入院期間は、症状により異なってきます。
がんがそこまで大きくなければ、安全域を含めた原発巣の切除のみでいいので、1~2週間ほどの入院になりますが、切除範囲が広くなると、再建手術が必要になります。その場合は、手術時間も長く、丸1日かかることもあります。
また、再建した場合は、リハビリ期間も長くなることから、入院期間が1か月もしくは1か月を超えることもあります。
手術が主なため、患者さんに対しての負担は大きくなりますが、うまくいけば根治には近いため、よく使われる方法です。

化学療法

化学療法は、外科的療法の術前、術後の療法としての補助療法として使われることが多かったですが、近年、化学療法と放射線療法の併用により、口腔機能温存を目指して、併用療法による根治的治療法としても用いられるようになってきています。
経口薬もあるが、ほとんどが、静脈内投与(点滴)となります。そのため、近年は、入院よりは外来で行うことが増えてきました。
しかし、化学療法には、有害事象があるため、注意が必要となります。
薬によって有害事象は異なりますが、共通するものとして、骨髄抑制があげられ、好中球減少症、血小板減少症、貧血などが問題となります。

放射線療法

放射線療法は、がんの部位に放射線をあてる治療法です。
これは、がん細胞が正常細胞よりも放射線感受性が高く、障害を受けやすいという性質を利用しています。
放射線による正常組織の損傷を許容できる範囲に抑えながら、がん細胞を死滅、あるいは少なくとも増殖できない程度にまで制御しようとしているものです。外科的療法と併用して術前照射、術後照射が多かったが、先述したように、化学療法との併用件数も増えてきました。有害事象としては、照射局所に粘膜炎、味覚障害、唾液分泌障害、咽頭痛や嚥下時痛などがあります。

口腔がんのセルフチェック法

セルフチェックポイント(口腔がんの初期症状)

・口内炎が2週間以上なおらない

・舌や口の中の粘膜の色が白く変化する

・舌の赤みが強くただれている

・舌の表面がざらざらしたり、しこりを感じる

・歯ぐきの腫れや出血がある

・歯のぐらつきがある

※歯のぐらつきの最大の原因は歯周病なので、歯がぐらつくだけでは、口腔がんと考えることは容易ではないが、口腔がんになると歯を支えている歯槽骨も影響をうけるため、歯がぐらつくことがあります。

「口腔がんの痛み」についてよくある質問

ここまで口腔がんの痛みなどを紹介しました。ここでは「口腔がんの痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

口腔がんの好発年齢について教えてください。

五島 志織 医師

口腔がんの好発年齢は60台です。しかし、舌がんは20代~40代の比較的若年層でもみられるため、若くても注意が必要になります。

編集部まとめ

口腔がんは初期は痛みを伴うことが少なく、気づきにくいです。しかし、早期発見は完治に大きくつながります。例えば、病期ごとの5年生存率を見てみると、初期であるstageⅠでの5年生存率は85%~95%である一方、末期であるstageⅣだと40~50%になります。
このことから、早期発見早期治療がいかに有効であることがわかります。
また、口腔がんは、自己判断では、口内炎をはじめとした別の口腔粘膜病変と勘違いしてしまうことが多々あるので、少しでもおかしいなと思えば、歯科もしくは口腔外科を一度受診してみるのが良いです。

「口腔がん」と関連する病気

「口腔がん」と関連する病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科の病気生活習慣病
歯科/口腔外科の病気

不適合補綴物

口内炎白板症

梅毒性舌炎

扁平苔癬

紅斑症

口の中は自分で確認するのができそうでもうまくできないものです。いろいろな病気が口腔がんの原因になったり、また口腔がんを疑うきっかけになったりします。

「口腔がん」と関連する症状

「口腔がん」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

2週間以上治らない口内炎が2週間以上なおらない

舌や口の中の粘膜の色が白く変化する

舌の赤みが強くただれている

舌の表面がざらざらしたり、しこりを感じる

歯ぐきの腫れや出血がある

歯のぐらつきがある

これらの症状がある場合には、早めに医療機関での受診をおすすめします。

参考文献

日本耳鼻咽喉科頚頭学会ホームページ

関連記事:

Medical DOC
Medical DOC
Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。
Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。