萎縮性胃炎の前兆や初期症状について
萎縮性胃炎の初期症状は軽微、もしくはほとんどないなことも多いですが、症状としては以下のようなものがあります。
胃の不快感
特に食後に胃が重く感じることが多いようです。胃の内部に慢性的な炎症が存在するためです。
食後の膨満感
胃の消化能力が低下しているため、少量の食事でも、食後に膨満感が起こることがあります。
食思不振
胃がもたれるため、食欲が減退することがあります。
貧血や疲労感
自己免疫性のものでは、ビタミンB12の吸収不良による貧血が起こることがあります。
これにより、全身の倦怠感や息切れなどが生じることがあります。
萎縮性胃炎の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、消化器内科です。
萎縮性胃炎は胃の粘膜の萎縮による疾患であり、消化器内科での診断と治療が適しています。
萎縮性胃炎の検査・診断
萎縮性胃炎が疑われた場合、一般的に以下のような検査が行われます。
上部消化管内視鏡検査
内視鏡を用いて胃の内部を直接観察します。
萎縮の程度や範囲、炎症の有無を確認します。
内視鏡検査は、胃粘膜の状態を詳細に観察できる最も信頼性の高い方法です。
迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素が試薬内の尿素を分解してアンモニアを生じさせることを利用した方法です。
生じたアンモニアによりpH指示薬に色調変化がおこり、ピロリ菌が感染しているかどうかを短時間で判定することが可能です。
鏡検法
採取した胃の粘膜にさまざまな染色を行い、顕微鏡下でピロリ菌を検索するとともに組織学的な評価を行います。
採取した部分にピロリ菌がいない場合には偽陰性となることもあるため注意が必要です。
培養法
検体を5〜7日程度培養し、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。
採取した部分にピロリ菌がいない場合には偽陰性となることもあるため注意が必要です。
血液検査
ピロリ菌感染の有無の確認やビタミンB12の欠乏を確認するために行います。
特に自己免疫性胃炎では、抗体検査も行います。
便中抗原検査
糞便中のピロリ菌を調べる精度の高い検査法で、現在ピロリ菌に感染し ているかどうかがわかるので、ピロリ菌の感染診断と除菌判定に有用です。
尿素呼気試験
ヘリコバクター・ピロリ菌の有無を確認するための非侵襲的な検査です。
患者さんが特定の試薬を服用し、呼気を検査することでピロリ菌の存在を確認します。
配信: Medical DOC