「脂肪腫」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「脂肪腫」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

脂肪腫の前兆や初期症状について

一般的には弾性軟のなだらかに隆起する皮下腫瘤として触知します。
通常、痛みなどの症状は無く、皮膚がドーム状に盛り上がり、柔らかいしこりとして触れます。血管脂肪腫の場合は疼痛を有する場合もあります。

身体の各部に発生しますが、背部、肩、頸部などに多く、次いで上腕、臀部、大腿などの身体に近い方の四肢に多くみられます。
顔面、頭皮、下腿、足などはまれです。大きさは数mm径の小さなものから、直径が10センチ以上に及ぶものまであります。放置すると徐々に増大することが多い傾向にあります。

脂肪腫の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、形成外科です。
脂肪腫は皮膚の下にできる良性の腫瘍であり、形成外科で診断と治療が行われています。

脂肪腫の検査・診断

診断は、臨床症状と画像検査で行います。
画像検査にはエコー検査、CT検査、MRI検査があります。特にMRIが有用です。

区別を要する疾患として、皮膚由来の嚢腫や軟部組織の肉腫(悪性腫瘍)などがあります。
急速に増大した場合や、硬さが不均一な場合は脂肪肉腫の可能性があり、MRI検査でも不均一な像が見られます。

診察や画像だけでは悪性の脂肪肉腫と鑑別が困難なこともあり、摘出し、病理組織学的検査を行った方が良いと思われます。

また、診察や画像診断などから悪性を否定できない場合は摘出手術をする前に、生検(病変の一部を切り取って組織や細胞などを、顕微鏡などで調べる検査)を行うことがあります。

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