「痛風」になりやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

「痛風」になりやすい人の特徴をご存知ですか? 原因・症状を医師が解説

痛風の前兆や初期症状について

初期症状

痛風はある日突然、足の親指のつけ根が赤く腫れて激痛を起こします。
痛みは徐々に強くなり、歩けない、日常生活を送れないほどの症状となります。

疼痛部の見た目は赤く腫れ上がり、関節を動かしたり触ったりすると痛みが増強します。
痛みのピークは症状が出現してから24時間程度、痛みがなくなるまでには1〜2週間程度かかります。

痛風発作の前に、足の親指のつけ根に違和感のような予兆を感じることがあります。
そのため、痛風発作の発症を予知できることも多い傾向です。

通常、痛風発作による関節炎は1か所であることが多く、なりやすい場所もおおむね決まっています。
足の親指のつけ根が最も頻度が高い場所です。
そのほかに足首、膝、手首、肘などにも生じることがあります。
尿酸結晶は冷たい部位でより形成されやすいため、身体の末梢の部位に発症しやすいとされています。

痛風の合併症

痛風結節
痛風を放置し適切な治療を受けないでいると、尿酸結石が析出しコブのように腫れる痛風結節が出現します。

痛風結節は通常痛みを伴いませんが、放置しておくと関節内で痛風結節が破裂した結節がチョーク様の塊となり皮膚を突き破り感染を起こすことがあります。
最終的に関節の変形を起こし二次性変形性関節症を起こします。
痛風結節は関節内だけでなく、耳や皮下、アキレス腱などにもできる可能性があります。

腎結石

痛風の患者さんには、腎臓に尿酸結石が生じることがあります。
この結石が尿路につまり閉塞すると、激痛が生じます。

閉塞して尿路の流れが悪くなると感染症を併発する場合もあります。
腎結石により腎機能低下を引き起こし、尿酸の排泄が悪くなりさらに尿酸が高くなり痛風を誘発することがあります。

痛風の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、内科、整形外科です。
痛風は関節に尿酸が結晶化して起こる疾患であり、内科や整形外科で診断と治療が行われています。

痛風の検査・診断

血液検査

血液中の尿酸値を調べるため、血液検査を行います。
尿酸値が7.0mg/dl以上の際、

高尿酸血症

と診断します。

しかし痛風発作が出現していても尿酸値が正常の場合もあり、血液検査だけでなく以下の検査や症状とあわせて総合的に診断を行います。

関節穿刺

関節を針で穿刺し、関節液を偏光顕微鏡検査で調べます。
痛風の場合は針状の尿酸結晶がみられ、これがあれば痛風と診断可能です。
関節穿刺は診断に必ずしも必須ではありませんが、感染性関節炎などほかの疾患も疑われ痛風の診断に迷う場合は行うことがあります。

画像検査

骨びらんや痛風結節の確認のためにX線検査や関節超音波検査が行われる場合があります。
しかし痛風の診断は症状と関節穿刺、血液検査で行われることが多く、痛風の診断時よりも尿酸結節や関節の状態を確認したい場合に行うことが多い検査です。

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