突発性難聴の前兆や初期症状について
突発性難聴には、前兆になる症状はほとんどありません。前日まで健康で身体の不調も感じることなく過ごしていたのに、朝目が覚めると突然耳が聞こえなくなるのが最初の症状であるからです。何の前兆もない状態から発症します。
もし朝起きて、テレビの音などが聞き取りにくかったりまったく聞こえない状態になっていたりしたら、ただちに突発性難聴の症状を疑ってみましょう。
ほかに突発性難聴の初期症状には、耳が詰まった感じがしたり、音が二重に聞こえたり強い耳鳴りが起こることもあります。ひどい症状になると、めまいや吐き気などメニエール病に近い症状も発生する可能性もありますが、めまいの症状を何回も繰り返すメニエール病とは異なり何回もめまいや吐き気を繰り返す症状は起こりません。
音の聞こえにくさに関しては、まったく聞こえない状態になる場合もあったり、聞こえる音が限られていたりする場合もあるなど、症状はさまざまです。もし音が少しでも聞こえる場合、正常な耳ではと勘違いしてしまうことで、病院に行くのが遅れて症状を悪化させてしまうことがあります。
突発性難聴は、発症しても時間が経過したら症状が自然に改善するものではありませんので、少しでも音の聞こえが悪いと感じたら突発性難聴を疑いましょう。早めに治療を受ければ早期の回復が見込まれるので、少し聞こえが悪いからといって油断をせず、早めに耳鼻咽喉科に向かうようにしてください。
突発性難聴の検査・診断
突発性難聴の検査は、耳鳴りやめまいなどの症状によって異なることがあります。
突発性難聴の症状が疑われるときには、次のような検査が行われます。
問診
最初に問診を行い、発症した日の前日の行動や、日常生活や仕事などで重いストレスがかかっていなかったかなどを詳しく調べます。患者さんが元々持っている持病が突発性難聴と関係している可能性もあるので、病気歴や服用している薬、過去に耳の病気があったかなどを詳しく調べていきます。詳しく診断するためにも、症状はできる限り詳細に伝えるようにしてください。
聴力検査・ティンパノメトリー検査
問診の後は、耳鏡を使って外耳道や鼓膜の状態を医師によってチェックしてもらった後、純音聴力検査による聞こえの検査を行います。これらの検査は防音室に入ってヘッドホンをつけ、小さい音まで聞こえる状態かを確かめる検査です。聞こえの検査をして、耳の中に聴力のトラブルが発生しているかどうかを確かめます。聴力検査に続いて必要な検査が、ティンパノメトリー検査です。これらの検査は滲出性中耳炎で行う検査ですが、鼓膜の状態を確かめるために行います。空気圧を変化させながら外耳道を圧迫させて、耳全体の振動を確認する検査ですので、耳の正確な状態を知れる検査です。
MRI検査
脳の病気を見つけるために行うMRI検査も、突発性難聴の検査時に行う場合があります。
突然起こるめまいの症状のなかには、小脳と内耳の間にできる神経腫瘍が原因の場合もあります。突発性難聴だと思って治療して、なかなか回復できない場合は脳に関する病気の疑いも考えられるので、この場合はMRI検査を受けることが必要です。MRI装置がある病院は限られているので、もし検査を受けるならMRI装置のある病院を受診するようにしてください。突発性難聴だと思って検査を受けたら、実は聴神経腫瘍だったこともまれにあるので、気になった場合は受診してみましょう。
配信: Medical DOC