「変形性股関節症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「変形性股関節症」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

変形性股関節症の前兆や初期症状について

変形性股関節症の症状は少しずつ悪化するため、下記の前兆や初期症状を早期に発見し適切に対処することが重要です。

前兆

変形性股関節症の前兆として下記のような内容があります。

股関節の違和感

股関節に軽い違和感や不快感があることがあります。特に、立ち上がるときや歩き始めるときに感じやすくなります。

股関節の腫れ

変形性股関節症になると、関節液が増加し、関節内で炎症が起こっているサインとして運動後や長時間の立ち仕事のあとなどに、股関節が腫れる場合があります。

初期症状

変形性股関節症の初期症状は、主に下記のような症状が現れます。

股関節の痛み

初期の痛みは、長時間の歩行や歩行後に痛みが生じます。
また、変形性股関節症の病期が進行するにつれて持続的な痛みとなるだけでなく、安静時痛や夜間痛が出現して、日常生活に大きな影響を与えます。

関節のこわばり

朝や長時間座ったあとに、股関節がこわばり、動かしにくくなることがあります。
初期症状であれば、このこわばりはしばらく動かしているうちに解消することが多い傾向です。

関節の音

股関節を動かす際に、軟骨がすり減り、骨同士が擦れ合うことにより、ゴリゴリ、ギシギシといった音がする場合があります。

動作の制限

初期は顕著な運動制限はありませんが、関節の変形が進行するにつれて、股関節の痛みやこわばりのために、歩行や階段の昇降が難しくなることがあります。
また、股関節の曲げ伸ばしなどの動きにも制限が出ます。

変形性股関節症の前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、整形外科です。
変形性股関節症は股関節の変形による痛みと機能障害を引き起こし、整形外科での診察と治療が必要です。

変形性股関節症の検査・診断

変形性股関節症に対して、適切な治療をおこなうためには、下記のような正確な検査・診断は欠かせません。

問診と身体診察

患者さんの主な症状や、持続時間、痛みの程度、痛みが発生するタイミングなどを詳細に問診するとともに、過去の股関節の怪我や手術歴なども合わせて確認します。

しっかりと問診したら、股関節の外観を観察し、腫れや変形などを確認します。
さらに、実際に股関節を触診して、痛みのある場所や腫れ、熱感の有無、股関節の曲げ伸ばしなどの動きをチェックし、可動域や動作時の痛みを評価します。

画像診断

股関節の変形や軟骨の摩耗、骨棘(骨の突起)の有無などを確認するために、最初は一般的にX線検査をおこない、関節の隙間が狭くなっていることが確認できれば、変形性股関節症と診断されます。

その後、必要に応じて、CT検査とMRI検査などをおこないます。

CT検査は、骨の詳細な状態を確認するためにおこなうため、複雑な骨の変形や骨折が疑われる場合に有効です。
また、MRI検査は、軟骨や軟部組織の状態を詳細に確認できるため、X線検査では見えにくい軟骨や靭帯、筋肉の状態を把握できます。

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