網膜剥離の治療
網膜剥離の治療には、レーザー治療、硝子体手術、強膜バックリング法などがあります。治療法は、網膜剥離の進行具合や原因によって異なります。
レーザー治療
レーザー治療は、網膜にできた裂け目を焼き、レーザー光凝固で剥がれないようにする方法です。これにより進行を食い止められる場合があります。レーザー治療は、網膜剥離の初期段階で行われることが多く、通院で行うことができます。
硝子体手術
硝子体手術は、眼球の硝子体を切除し、そこにガスを入れて膨らませ、網膜を元の位置に戻して裂け目をレーザーで塞ぐ手術です。手術後は網膜にガスをあてるため、うつ伏せでいるようにします。硝子体手術は、入院が必要な手術であり、術後には一定期間の安静が求められます。
強膜バックリング法
強膜バックリング法は、外側から眼球を凹ませて網膜の裂け目をふさぐ手術です。網膜の裂け目を冷凍凝固装置で凍らせ、引っ付きやすくします。その上にシリコンでできたスポンジを縫い付けて裂け目をふさぎますが、網膜の戻りが悪い時は眼球に気体を入れて内側から圧迫します。強膜バックリング法は、網膜剥離の進行具合や原因によって適用される手術であり、術後には一定期間の安静が必要です。
網膜剥離になりやすい人・予防の方法
網膜剥離になりやすい人には、強度の近視、加齢、糖尿病、外傷、などのリスク要因があります。
強度の近視
強度の近視の人は、網膜剥離のリスクが高いです。近視が進行すると、眼球が長くなり、網膜が薄くなるため、裂け目が生じやすくなります。また、遺伝的要因が関与している場合があるため、家族に網膜剥離の既往がある人もリスクが高いとされています。
加齢
加齢も網膜剥離のリスク要因の一つです。中高年になると、眼球内の硝子体が変性し、網膜を引っ張ることで裂け目が生じやすくなります。特に、50歳以上の人は、定期的な眼科検診を受けることが推奨されます。
糖尿病
糖尿病も網膜剥離のリスクを高める要因です。糖尿病では、血管障害が起こりますがそれが網膜に発生し糖尿病網膜症となります。網膜の血管が酸欠状態になり、新生血管を生やすが出血しやすいため網膜剥離の原因になります。
外傷
外傷も網膜剥離のリスク要因です。スポーツや事故などで目に強い衝撃を受けた場合、網膜剥離が発生することがあります。特に、ボクシングやサッカーなどの接触スポーツでは、網膜剥離のリスクが高まります。外傷による網膜剥離は、若年層にも見られることが特徴です。
網膜剥離の予防方法
網膜剥離の予防には、定期的な眼科検診が有効です。視界に異常を感じた場合には、早めに眼科を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。また、糖尿病の管理や適切な眼の保護も大切です。糖尿病患者さんは、血糖値の管理を徹底し、定期的な眼科検診を受けることが推奨されます。スポーツや作業中には、適切な保護具を使用し、目を守ることが大切です。
関連する病気
裂孔原性網膜剥離
牽引性網膜剥離
滲出性網膜剥離
増殖性糖尿病網膜症
参考文献
日本眼科医会
日本眼科学会
佐倉病院飛蚊症とは何か
日本予防医学協会眼底検査
慶応義塾大学病院OCT検査
京都府立医科大学付属病院眼科
配信: Medical DOC
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