「ドライアイ」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

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ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)の治療

ドライアイの治療は、眼表面の涙液と眼表面の上皮を層別に治療するTFOT(Tear Film Oriented Therapy)の考えのもとで行われます。

眼鏡やゴーグルの装着は、涙液の蒸発を抑制する簡便な方法で、点眼液や涙点プラグは装着の煩わしさをなくして涙液を留めることが可能です。

薬物療法

基本的な治療法は点眼液です。人工涙液をこまめに点眼して眼表面の涙液を増加させる方法で、頻回に点眼する場合は防腐剤の入っていないものを選びます。人工の涙液は塩化ナトリウムと塩化カリウムが主成分です。ヒアルロン酸ナトリウム点眼液は、涙液の安定化と角膜上皮の創傷治療作用に効果があります。保湿作用や表面の乾燥を長時間防止する効果が期待されるため、ドライアイ治療薬として頻繁に使用されています。ジクアホソルナトリウム点眼およびレパミピド点眼なども開発され、模結合型ムチンを正常に戻し涙液を安定させる分泌型ムチンを結膜胚細胞から放出させることが可能です。なお、ジクアホソルナトリウム点眼液は結膜上皮細胞から直接水分を放出できるため、乾燥が強いドライアイの人の治療には欠かせません。ドライアイの病態によっては、抗炎症系点眼液(免疫抑制剤・ステロイド剤など)を併用します。

涙点プラグ

涙液の排出口にシリコーン製の特殊なプラグで栓をして、涙点を塞ぐことで涙を眼表面に長時間留めるものです。涙点プラグは、涙液の貯瘤を劇的に改善する効果が期待できます。またコラーゲン製の涙点プラグも開発されシリコーン製より閉鎖効果はやや劣りますが、閉鎖後の異物感や肉芽を形成する心配がありません。

外科的治療

ドライアイの症状が重い場合は、涙点を焼却して閉鎖させる涙点閉鎖術がありますが、これは涙点プラグが対応不可だった場合の外科的治療法です。

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)になりやすい人・予防の方法

ドライアイを発症している人は2,200万人といわれています。加齢や環境が大きく影響していると考えられますが、ドライアイは内科的疾患がある人や角膜移植の手術の副作用で起こる場合もあるので、要因を1つに特定することはできません。

長時間冷暖房完備の乾燥した部屋にいる人・運転で連続して目を使う人・コンタクトレンズを装着している人は、涙液が蒸発しドライアイを発症しやすくなります。また、パソコンやスマートフォンで画面を何時間も見続ける人は、瞬きが減り目が乾燥するためドライアイを発症するリスクが高くなります。

予防方法

ドライアイは生活習慣病ともいわれているため、環境を整えることがドライアイの予防になるのです。空調が直接目にあたらないようにしたりパソコンやテレビは低い位置に置いたりして、こまめに目薬をさすことで涙液の蒸発を減らせます。ドライアイの傾向がある人は、コンタクトレンズの使用時間は短めにして眼鏡に変えるとリスクを減らすことになります。瞬きの回数が少ない人はドライアイになりやすいため、瞬きの回数を意識的に増やすと目の乾燥を軽減できるのでドライアイの予防に有効です。さらに目の疲労を感じたら休憩を取り、目を温めることで眼精疲労を回復する効果があります。

参考文献

ドライアイ(dry eye)|KOMPAS 慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト

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