災害で被災した大切なペットを助ける!災害派遣獣医療チームVMATとは?

災害で被災した大切なペットを助ける!災害派遣獣医療チームVMATとは?

動物を保護するVMAT以外の組織

大きな災害がおきた時には、VMAT以外の組織も立ち上げられることとなります。地方獣医師会や自治体などによる「現地動物救護本部」では以下のような活動を行います。

物資の調達、配布
ボランティアの確保・配置・管理
義援金の募集・活用
避難所・仮設住宅におけるペットの受け入れに関わる市区町村への要請
避難所・仮設住宅におけるペットの飼育支援
保護が必要な動物への対応
動物救護施設の設置・運営
動物病院への、治療・一時預かり・譲渡等に係る協力要請
情報収集・広報活動
相談窓口の設置

また、日本獣医師会、日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本動物愛玩動物協会による「緊急災害時動物救援本部」では以下のような活動を行います。

被災地の都道府県等から、被災状況、動物救護に係る必要な支援等に関する情報を収集
ボランティアを募集し、現地動物救護本部等とボランティア派遣に係る連絡調整
ペット用品等の救援物資を募集し、被災地の自治体、現地動物救護本部等、地方獣医師会等へ配布
義援金を募集し、被災地の自治体、現地動物救護本部等、地方獣医師会等へ配分・供与
避難所、動物救護施設等におけるペットの飼育管理等に関する助言

このように災害が大きくなれば、仮設住宅でのペットの飼育や、飼い主の見つからないペットの里親をみつけるなどの活動が必要となってきます。

飼い主も災害に備えよう

ペットをめぐるトラブル

東日本大震災の調査によると、避難所でペットをめぐる様々なトラブルがおき、

犬の鳴き声、臭い
避難所で犬が放し飼いにされ、寝ている避難者の周りを動き回っていた
ペットによる子供への危害が心配
ノミが発生した

といった問題がありました。
また、「アレルギー体質の方がいることから、避難所内で人と同じスペースで飼育することが難しい状況があった」「他の避難者とのバランスを考慮して貰えず、自分のペットへの過度の要望を通そうとする避難者がいた」という意見も見られました。

避難所ではマナーを守るとともに、平常時からペットのしつけ、マイクロチップの埋め込みなどの迷子対策、ワクチン接種、寄生虫の予防などを行いましょう。

平時から備えること

犬猫共通

人やほかの動物を怖がらないようにする
決められた場所での排泄
ケージやキャリーバッグに入ることを嫌がらないように、日頃から慣らしておく
各種ワクチン接種(犬の場合には狂犬病予防接種)
ノミや他の寄生虫の予防、駆除(犬の場合には犬フィラリア症)
不妊、去勢手術
マイクロチップなどによる迷子対策
ペット用の避難用品や備蓄品の用意
避難所や避難ルートの確認

犬の場合

「待て」「おいで」「お座り」「伏せ」などの基本的なしつけ
不必要に吠えない、攻撃的にならないようなしつけ

災害がおきた時にはペットがパニックになり普段通りの行動がとれないことがありますので、避難のためキャリーバックに慣らしておくことが必要となります。
また、避難所やシェルターでは、他の動物との接触が増え、免疫が下がることも多いため、ワクチンの接種、寄生虫の駆除、不妊・去勢手術もしておきましょう。

動物は環境の変化に弱く、ストレスで体調を崩すことがあります。自宅が安全な場合には、なるべく自宅で過ごせるよう、家の耐震対策、家具の転倒防止、窓に飛散防止シートを貼る(飛散防止シートを貼ると、窓に多少のひびが入ったとしても雨風がしのげます)などの対策も大切です。

その他、ペットのために必要な備蓄品、避難方法などはこちらのページで紹介しています。

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