高齢者住宅定員数ランキング発表 学研グループは1年で2254名増加

高齢者住宅定員数ランキング発表 学研グループは1年で2254名増加

 介護業界紙の高齢者住宅新聞社が「福祉施設・高齢者住宅定員数ランキング2024」を発表しました。

 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、特養、老健、介護医療院、認知症グループホーム、ケアハウスの定員を法人(グループ)別にまとめたもので、毎年8月に発表されています(以前は居室数ベース)。

 今回は、このデータをもとに高齢者住宅の最新マーケットを分析してみましょう。

※数値は2024年6月末時点でのもの

 1位はSOMPOケアで472棟2万9777名。業界初の3万人台も視野に入ってきました。2位は学研グループで562棟2万644名。昨年の3位よりランクアップしました。驚異的なのはこの1年間の増加数。実に56棟・2254名も増えています。

 1位のSOMPOケアが3棟・323名と事業規模に比べれば微増でしたので、このペースが続けば4~5年先にはトップに躍り出ることも考えられます。

 このほか、昨年に比べて大きく定員数を増やしたのは「医心館」ブランドでホスピス住宅を運営するアンビスホールディングス(95棟・4770名、前年比25棟・1324名増)。

 同社ほどではありませんが、このほかにも、「PDハウス」ブランドでパーキンソン病特化型ホームを運営するサンウェルズ(41棟・2136名、前年比9棟・562室増)や、やはりホスピス住宅を運営する日本ホスピスホールディングス(44棟・1422名、前年比9棟・334室増)など、医療、終末期対応に注力する事業者が順調に拡大しています。

 しかし、訪問介護や訪問看護の「囲い込み」に対する国の締め付けが厳しくなる中で、今後も同様のペースで成長し続けることができるかどうかが注目されます。

 関西2府4県に本社・本部を置く事業者のランキングは以下の通りです

1位、フジ住宅 256棟・8418名

2位、チャーム・ケア・コーポレーショングループ 91棟・6359名

3位、シップヘルスケアホールディングス 75棟・4753名

4位、ケア21 147棟・4274名

5位、スミレ会グループ 68棟・3901名

6位、スーパー・コート 48棟・3271名

7位、セルヴィス 40棟・1863名

8位、日の出医療福祉グループ 51棟・1842名

9位、日健マネジメントグループ 41棟・1787名

10位、洛和会ヘルスケアシステム 50棟・1751名

 ちなみに、前年比ではフジ住宅が19棟・699名増、チャーム・ケアが11棟・897名増となっています。前者は自治体の整備計画の影響を受けないサ高住に特化していること、後者はマーケットの大きい首都圏での展開が中心になっていることが規模拡大の理由の一つと言えそうです。

 こうしたランキングについては「介護事業は規模を競うものではない」と否定的な見方をする人もいます。しかし、介護業界への就職を希望する人や、介護業界との新規取引を考えている企業にとっては、事業者の規模や業界内での位置づけは重要な判断材料のひとつです。

 また、複数の事業所を展開していれば、新型コロナのような感染症の流行があった際にも、感染で欠勤したスタッフの代替人員を他事業所からまわすなどの対応が可能です。

 また、ある程度広域で事業展開していれば、地震などの災害時に被災した施設から避難することもできます。BCPの観点からも事業規模は必要と言えるでしょう。

 国も、今後介護事業の効率化を進めていく上で介護事業の大規模化が重要になるとの考え方を示しています。ここしばらく、介護業界ではM&Aが盛んに行われていますが、こうした手法も交えながら大規模化が進行していくと思われます。

介護の三ツ星コンシェルジュ

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