不妊の原因が男性側に存在する場合、それは「男性不妊症」です。不妊の原因が男性側にある場合は、約半数と多くなっています。銀座リプロ外科の永尾光一先生に詳しく教えてもらいました。
監修医師:
永尾 光一(銀座リプロ外科)
昭和大学にて形成外科学を8年間専攻した後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し、形成外科・泌尿器科両方の診療科部長を経験する。2009年より東邦大学医学部教授、2010年より東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター長となる。得意分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖医学領域の形成外科的手術。日本泌尿器科学会専門医、日本生殖医学会専門医のほかに、日本形成外科学会専門医も取得しており、泌尿器科医の枠を超えた細やかな手術手技と丁寧な診察で、様々な悩みを抱える患者さんから高い信頼と評価を得ている。
編集部
「男性不妊症」とはなんですか?
永尾先生
「定期的な性交渉を持ち、避妊していないにもかかわらず、1年以上妊娠が成立しない状態」がいわゆる「不妊」です。「男性不妊症」とは、文字通り不妊の原因が男性側に存在するものを指します。
編集部
男性不妊症の割合は高いのですか?
永尾先生
皆さんが思っているよりも多いと思います。男性不妊は48%と約半数を占めており、決してレアケースではないことが分かります。
編集部
具体的にどういった要因で男性不妊症となるのでしょうか?
永尾先生
厚生労働省の調査によると、「治療できる男性不妊症原因」として最も多いのは「精索静脈瘤」で、次に「性機能障害(ED)」が続きます。ほかには、割合としては少ないですが、「精路閉塞」「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」などもあげられます。一方、治療困難な原因には、「染色体・遺伝子異常」や「薬剤性不妊」「停留精そう」などがありますが、それ以上に多いのが「原因不明」の不妊です。
※厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究
http://www.j-andrology.org/news/web2017118.pdf
※この記事はMedical DOCにて【「男性不妊症」の検査やセルフチェック法とは? 不妊の原因も専門医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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