「発達障害」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

「発達障害」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

発達障害の前兆や初期症状について

発達障害の初期症状は個人差が大きく、年齢によっても異なりますが、一般的に以下のような症状が見られることがあります。

言語発達の遅れや偏り

非言語コミュニケーションの少なさ

対人関係の困難さ

特定の物事への強い興味や固執

感覚過敏または鈍感さ

運動発達の遅れや不器用さ

注意力の持続が難しい

多動や衝動的な行動

学習の困難さ

こだわりが強い、変化を嫌う

これらの症状が単独で見られても必ずしも発達障害とは限りませんが、複数の症状が持続的に見られる場合は受診を検討するべきです。

発達障害は小さい時に症状がみられることが多い傾向です。
そのため、小児科や児童精神科を受診するのが良いでしょう。
また、かかりつけ医や地域の保健センターに相談し、適切な専門機関を紹介してもらうのも良い方法です。
早期発見・早期支援が重要なので、気になる症状があれば躊躇せずに相談することをお勧めします。

発達障害の検査・診断

発達障害の検査・診断プロセスは多面的で複数の検査を実施し、総合的に判断します。

問診

医師が保護者や本人から成育歴、現在の状況、困っていることなどを詳しく聞き取ります。

行動観察

自然な環境での行動を観察し、社会性やコミュニケーション能力を評価します。

心理検査

知能検査では、WISC-IVなどを用いて認知機能や知的能力を測定

発達検査では、新版K式発達検査などを用いて発達の程度を評価

自閉症スペクトラム検査では、ADOS、ADI-Rなどを用いて自閉症の特性を評価

言語検査

語彙の理解や発声、表現能力を評価します。

感覚・行動検査

感覚処理能力や運動機能を評価します。

注意力検査

持続性注意、配分性注意などを評価します。

医学的検査

必要に応じて脳波検査やMRIなどの画像検査を行います。

これらの結果やDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル)などの診断基準に基づいて診断が行われます。
診断は一度で確定せず、経過観察を含む長期的なプロセスになることもあります。
重要なのは、診断は適切な支援を受けるためのスタートポイントだということです。
診断結果を踏まえて、個々のニーズに合わせた支援計画が立てられます。

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