低体温症の前兆や初期症状について
低体温症の前兆や初期症状
雪山での遭難などの極寒の環境におかれたとき、震えを自覚して、さらに眠気が生じてきたら体温が低下しているサインです。
風雪を避けられる小屋や何かの影に避難したり、服が濡れていれば脱いで、体温の低下を防ぐ行動が必要です。
どの診療科目を受診すればよいか
寒い環境にさらされたことが原因で軽度低体温症になったとき、意識がはっきりしていて、歩行もできているなら、まず身体を温める行動(部屋を暖かくする、寒い環境から避難する)が必要です。
体温が上昇して、症状がなければ、医療機関を必ずしも受診する必要はありません。
ただし、寒い環境にさらされていないのに、低体温症になるときは、甲状腺機能低下症をはじめとした内分泌系疾患などの可能性があるため、医療機関の受診が必要です。
内科、総合内科、内分泌内科
低体温症の原因は多岐にわたるため、内科や総合内科に相談するとよいでしょう。
緊急で受診が必要なのは意識が悪かったり、呼吸が弱くなったり、明らかに様子がおかしいときです。
このときには本人自身で医療機関を受診することはできないので、家族や知人などが119番通報をして医療機関に搬送されることになります。
救急科
地域に救命救急センターなどがあれば、救急搬送されることがあります。
低体温症により生命の危機に陥った患者さんの、意識、呼吸、循環などの生命維持に必要なサポートを最も得意とする診療科になります。
また、低体温症の原因となる病気の診断に長けた診療科です。
救急科を標榜している救命救急センターは大都市にしかないため、それ以外の地域では脳神経外科や内科などの低体温症の原因となる疾患毎の診療科で治療をすることになります。
低体温症の検査・診断
深部体温を測定して35度以下なら低体温症と診断します。
体温計に接続した専用のプローブを直腸や食道に挿入することで深部体温が測定できます。
また、病院ではベッドから動けない患者さんの尿を出すために膀胱までカテーテルという管を挿入しますが、温度を測定できる機能がついたカテーテルを挿入することで膀胱内の温度を測定することもあります。
二次性低体温症の原因を調べるために下記の検査を実施することがあります。
レントゲン検査
肺炎などの感染症を調べたり、骨折などの怪我がないか調べます。
CT/MRI
脳のスライス画像を見ることで、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞などを調べます。また、胸やお腹のスライス画像を見ることで肺炎やお腹の中の感染症がないか調べます。
心電図
心臓に不整脈を起こしていないか調べます。
血液検査
低体温症の原因として血糖値、内分泌機能に異常がないか検査します。
配信: Medical DOC