「内反小趾」を疑うべき初期症状はご存知ですか? 原因を併せて医師が解説

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内反小趾の治療

内反小趾の治療は、症状の程度・生活スタイル・全身状態などを考慮して下記のように計画されます。

保存的治療

軽度から中等度の内反小趾では、まず保存的治療を行ないます。

①テーピング

テーピングを使用して、小指を適切な位置に固定することで痛みを軽減できる場合があります。

②装具療法

内反小趾による痛みを緩和するため、足の裏に医療用装具を使用して、足全体のバランスを整えます。

③リハビリテーション

筋力強化で足の筋肉を鍛えたり、ストレッチなどをして足の関節の動きを広げることで、立ったり歩いたりするときに小趾にかかる負担を減らし、内反小趾の症状改善を図ります。

手術療法

保存的治療で十分な改善がみられない場合や、重度の変形がある場合は手術療法を検討します。

具体的な手術の内容は下記のようにわかれます。

明らかな骨の変形がないものの、痛みを伴う突出がある場合は小指の痛みを伴う軟部組織を除去します。

第5趾の外側の端に膨らみがある場合は、この骨の膨らみを取り除きます。

骨の突出が非常に大きい場合は、第5中足骨を切って位置を修正し、小指の向きを正常に戻す手術をおこないます。

一般的に手術後は数週間、手術した足に体重やかかとの荷重をかけないように足を保護し、必要に応じてリハビリテーションを実施する場合があります。
また、手術後も腫れが完全に改善するまでにはある程度の期間を必要としており、その期間は6〜12ヵ月程度になる場合もあります。

上記のように内反小趾の治療選択は、症状の程度だけでなく、個人の生活スタイルや希望も考慮して決定されるため、保存的治療でも十分に日常生活を送れる場合は、必ずしも手術を急ぐ必要はありません。

内反小趾になりやすい人・予防の方法

内反小趾は誰にでも発症する可能性はありますが、特定の要因により発症リスクが高まる場合があります。
また、適切な予防策を講じることで、発症リスクを低減したり、進行を遅らせたりできます。

ここでは、内反小趾になりやすい人の特徴と、予防の方法について紹介します。

内反小趾になりやすい人

下記の条件に当てはまる場合は、内反小趾になりやすい特徴のため、注意が必要です。

①女性

女性は、ハイヒールなどの不適切な靴を着用する機会が多いなどの理由により、男性よりも内反小趾になりやすい傾向です。

②高齢者

加齢に伴い、足の筋肉や靭帯が弱くなり、骨の変形が起こりやすくなります。

③足の構造に特徴がある人

扁平足や外反母趾など、ほかの足の問題がある場合は、内反小趾のリスクも高くなります。

予防の方法

続いて、内反小趾の予防方法について紹介します。

①適切な靴の選択

足への負担を減らすために、下記のような靴を選択しましょう。

つま先が広く、足の形に合った靴を選ぶ

柔らかい素材で、足を締め付けない靴を選ぶ

②足のケア

定期的に足のマッサージやストレッチをおこない、足の柔軟性を維持したり、筋力を鍛えるようにしましょう。

③足の観察

定期的に足の状態をチェックし、少しの変化にも早めに気付くようにしましょう。

内反小趾は、初期症状に気付いた時点で、早めに対処することで進行を遅らせることができます。
足の健康は全身の健康にもつながるため、正しい知識を持ち、適切なケアを行ないましょう。

参考文献

・The bunionette deformity—evaluation and management

・Management of Bunionette Deformity

・FootCareMD

・日本フットケア・足病医学会誌4(1):1-6,2023

・Bunionette (Tailor’s Bunion) Treatment & Management

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