「社交不安障害」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

「社交不安障害」になりやすい人の特徴はご存知ですか? 原因・症状を併せて医師が解説

社交不安障害の前兆や初期症状について

社交不安障害の前兆や初期症状は、日常生活の中で徐々に現れてくることが多い傾向です。
対人場面では下記のような症状が代表的です。

人前で話すことが怖い(スピーチ恐怖)

人前で食事ができない(会食恐怖)

人前で文字を書くときに震える(書痙)

自分の行動が他人に注目されているのではと心配(視線恐怖)

公共のトイレで用を足すことができない

知らない人との会話が怖い

会議やプレゼンで発言するのが怖い

電話をかけるのに緊張する

目上の人とのコミュニケーションが怖い

身体症状としては、発汗、赤面、手や身体の震え、頭が真っ白になる、めまい、腹痛・下痢、吐き気、動悸、喉が詰まるような息苦しさ、口の渇きなどが挙げられます。
特に赤面や震え、発汗は他人からも緊張していると分かる症状なので、変だと思われていないかとますます不安が高まり、症状が強くなる傾向があります。
これらの症状が持続的に見られ、日常生活に支障をきたすようであれば、社交不安障害の可能性があります。

また、社交不安障害にはさまざまな合併症が見られることがあります。
主な合併症としては、パニック障害、全般性不安障害、うつ病、アルコール依存症、回避性パーソナリティ障害などです。
症状の程度や合併症の可能性を適切に診断するためにも、精神科または心療内科を受診することを検討しましょう。
適切な治療により、症状の改善が期待できます。

社交不安障害の検査・診断

社交不安障害の診断は、主に問診から始まります。
主な症状、持続期間、日常生活への影響、家族歴、治療歴、生活環境などを詳しく聞き取ります。
次に、DSM-5の診断基準に基づいて評価を行います。

基準基準は、恐怖や不安の過剰な症状と回避行動、6ヶ月以上の持続、日常生活への支障などです。
診断の補助として、リーボウィッツ社交不安尺度(LSAS)などの心理テストが用いられることもあります。
また、類似症状を引き起こす可能性のある身体疾患を除外するため、血液検査、心電図、脳波検査などが実施されることがあります。
最後に、パニック障害や自閉スペクトラム症、うつ病などのほかの精神疾患との鑑別診断を行います。
これらの総合的な評価により、社交不安障害の診断が行われます。

関連記事: