「歯茎にできる口腔がん・歯肉がん」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

「歯茎にできる口腔がん・歯肉がん」の症状・治療法はご存知ですか?【医師監修】

歯肉がんの治療

この項目では、歯肉がんの治療法を解説します。歯肉がんを含む口腔がんは、悪性腫瘍の大きさ・広がり具合・転移の有無で、4段階のステージに分類されます。ステージ0~2は早期のがんで、ステージ3・4はがんが進行した状態です。

手術

歯肉がんなどの口腔がんの治療の中心は、がんを切除する外科手術です。歯肉がんは顎の骨に広がりやすく、早期がんでも顎の骨を切り離すことがあります。
がんがリンパ節に転移している場合や、転移の可能性が高いと考えられる場合には、首のリンパ節とその周辺の手術(頸部郭清)が行われます。

放射線治療

歯肉がんの放射線治療は、手術でがんが切除できなかった場合・がんが別の組織に転移している場合・再発の可能性が高い場合などに行われる治療法です。
放射線治療の副作用により、口内炎・むし歯・頬骨の壊死などが起きることがあります。がん治療を計画通りに進めるには、副作用や感染症を抑えるための口内ケアが必要です。

化学療法

歯肉がんが進行・転移している場合は、放射線治療と合わせて抗がん剤による化学療法が行われます。

歯肉がん以外の口腔がん

この項目では、歯肉がん以外の口腔がんである、舌がん・口腔底(口底)がん・頬粘膜がん・硬口蓋がんについて解説します。

舌がん

舌がんは口腔がんの約60%を占める悪性腫瘍です。舌がんの70%は舌縁部と呼ばれる舌の側面に発生します。舌がんはステージ0~2の早期がんでも、頸部リンパ節に転移する可能性があります。

口腔底(口底)がん

口腔底(口底)がんは、口腔底と呼ばれる舌と歯肉の間の窪んだ部分に発生する悪性腫瘍です。歯肉がんと同じく、手術による治療が一般的で、がんの進行度によっては舌や舌骨上筋群(顎舌骨筋・顎二腹筋・茎突舌骨筋・オトガイ舌骨筋)を切除する場合があります。

頬粘膜がん

頬の粘膜に発生するがんが、頬粘膜がんです。頬粘膜がんの患者さんの頬には、しこり・えぐれ(潰瘍)などが現れます。がんが顎の骨や歯に及んでいる場合は、これらの組織も切除されます。

硬口蓋がん

硬口蓋は、上顎の天井にあたる硬い部分です。この部分に発生した悪性腫瘍は硬口蓋がんと呼ばれており、上顎や口蓋の骨にがんが広がっていることがあります。硬口蓋がんにかかりやすい年齢は60~70歳です。また、患者さんの18~46%は頸部リンパ節への転移が確認されます。

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