「急性心筋梗塞」の初期症状や助かる確率はご存知ですか?医師が徹底解説!

「急性心筋梗塞」の初期症状や助かる確率はご存知ですか?医師が徹底解説!

急性心筋梗塞の心電図波形

特徴的な所見は以下です。急性心筋梗塞が起こると、梗塞部位に対応した心電図誘導でSTセグメントが上昇します。これは、冠動脈が詰まることにより、心筋の虚血や損傷を表す重要なサインです。その後に、異常Q波やT波の変化(T波の逆転など)が見られます。異常Q波は心筋が壊死した証拠となるサインです。心電図は、急性心筋梗塞の診断に非常に有用な検査ですが、必ずしも全ての患者さんで特徴的な変化が認められるわけではありません。心電図所見に加えて、他の検査結果や症状も総合的に判断する必要があります。

急性心筋梗塞の後遺症となる症状

急性心筋梗塞は心筋壊死により心臓の機能が低下する疾患なので、後遺症としてさまざまな症状が起ります。急性心筋梗塞の後遺症は、入院期間の長さだけでなく、種々の要因が複合的に影響して起こります。以下に3つに絞って、具体的な症状を説明します。

息切れ

心筋梗塞の後遺症として最もよくみられる症状の一つです。原因として、心臓が弱り、全身に十分な酸素を運べなくなるためです。以前は平気だった階段の上り下りができなくなったり、少し歩くだけでも息切れが起きるようになったりします。病状が進むと、安静に横になっても息苦しさを感じることもあります。このような症状が起きた場合は、完治することは難しく、治療やリハビリにより進行を抑える治療が行われます。

全身倦怠感

心臓の働きが低下することで、全身の臓器に十分な血液が行き渡らず、エネルギー不足に陥るためです。ちょっとした家事や仕事でもすぐに疲れが出たり、一日中、だるさを感じたりします。日常生活に支障を来すこともあります。一度、心筋が壊死すると、元には戻らないため完治は難しいです。治療やリハビリにより、現在の心機能を低下させない治療がメインとなります。

むくみ

心臓機能の低下により、血液がうまく心臓に戻らないため、体内に水分が溜まりやすくなり、浮腫(むくみ)が起こります。特に足に出やすいです。朝は大丈夫でも、夕方になると足がむくんで靴がきつくなったり、 足が重くてだるくなったりします。心臓のポンプ機能が落ちた状態なので、もとに戻すことは難しいです。治療やリハビリにより現状を維持することに主眼が置かれます。

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